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総務の知的財産戦略 第5回

2017年02月01日

 こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 高松孝行です。

 前回の職務発明規定の作成・更新の機会を利用して、開発部との信頼関係を構築できたと思いますので、これからが全社的な観点で権利取得を目指す総務の知的財産戦略の本番となります。

 その第一歩として総務部の方も、多少なりとも技術の内容を理解する必要があり、そのために発明相談等の打ち合わせに同席することが有効です。

■ 打ち合わせには参加しよう

 みなさんは、開発部の技術者と弁理士の発明相談等の打ち合わせに同席したことはあるでしょうか?
 弁理士は、開発部の技術者が考え出した技術を把握するために、その技術者と頻繁に打ち合わせを行うことがあります。特許となる技術は、今までにないもの(新規性を有するもの)でなければならないので、インターネット等で探しても同じ技術は見つかりません。そこで、新しい技術を理解するために、通常は技術者との打ち合わせが必要となります。

 さて、話を戻しますが、「弁理士との打ち合わせなんて、技術的な話が多く、聞いてもよくわからないので同席したことがない」という方が多いと思います。
 私の経験でも、大企業のケースで知的財産部の方が同席していたことを除いて、開発部以外の方が発明相談等の打ち合わせに同席していたことはあまりありません。

 でも考えてみてください。弁理士も、その技術については初心者なのです!(以前から関連する発明を取り扱っている場合は、まったくの初心者とはいえないかもしれませんが)
 状況的には、弁理士も皆さんとそれほど変わりません。

 実際、今まで取り扱ったことがないような技術に関する打ち合わせでは、弁理士も非常に基本的なことから技術者に聞くことになります。
 たとえば、技術者が作成した図面を見ながら、「これってどのような装置なのですか?」など、本当に基本的な質問をしたりします。もしかすると、みなさんの方が詳しいかもしれません。

■ 総務の知的財産戦略のポイント

 打ち合わせに何度か参加していると、技術者から弁理士への技術説明を通じて、自社の技術(技術的なポイント)がどんなもので、どのような特性(効果)があるか具体的にわかってくるようになると思います。わからない場合には、技術者に質問してもいいと思います。信頼関係ができていれば、技術者も嫌な顔はしないのではないでしょうか?
 そして、その技術的なポイントとその効果の関係を理解することが重要です。これらの関係を理解できれば、ほかの技術と組み合わせたり、応用したりすることができるようになります。これが、総務の知的財産戦略のポイントになります。

 一方、弁理士は技術者に対していろいろな質問をしますが、何故このような質問をするのか、その理由もわかってくるようになると思います。ただし、審査過程での特許庁とのやり取りを経験しないと、なかなか理解しにくいかもしれません。もし、質問の理由がわからない場合には、弁理士に質問してください。弁理士もわかりやすく説明してくれると思います。

 このように、打ち合わせに参加して、自社の技術と、弁理士の考え方を理解することができれば、総務の知的財産戦略を構築することも可能になると思います。ぜひ、技術者と弁理士との打ち合わせに積極的に参加してください。

 次回は、技術者と弁理士との打ち合わせにおける具体的なやり取りを例に挙げ、そのやり取りにどのような意味があるかについて書きたいと思います。

高松 孝行
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