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固定資産税(償却資産)講座
第8回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(8)

2017年07月24日

■ 固定資産台帳の仕組みを知る

 地方税(償却資産)の税務調査員にとって、企業が、どのような固定資産台帳管理の仕組みをしているかを把握することは重要なポイントの一つになります。決算書の作成方法を質問して、読み解きながら、企業担当者の作成した固定資産台帳が、どのような考え、どのようなメッセージを持っているかを把握していきます。

 通常は、固定資産台帳は一つです。そこに固定資産管理番号を振り、取得日、原始取得価額、耐用年数の基本情報が入力されていきます。そのデータベースを基に、企業は、決算書のための企業会計、法人税のための税務会計、そして、固定資産税(償却資産)の申告のためなどの計算処理が行われます。

 まれに、固定資産台帳が、国税と地方税で分けていることがありますが、これでは二重の手間になり、誤謬が発生していると疑われるでしょう。

 この同一の「固定資産台帳」を使って、決算書の固定資産台帳ほかに、法人税等の減価償却費計算と地方税申告書が行われていくわけですが、法人税所得税と固定資産税(償却資産)にいくつかの相違があります。

 まず、前年中の新規取得資産の減価償却の方法ですが、法人税等では、初年度は月割償却がされますが、固定資産税(償却資産)では、初年度は半年償却になります。

 スタート時点の前年中の新規取得資産の減価償却の方法から、国税と地方税では固定資産評価額は異なってきているのです。

 固定資産税は賦課期日が、1月1日です。土地も家屋も、賦課期日(1月1日)時点で、誰が所有しているか、土地の使用は畑なのか、雑種地なのか、宅地なのか。そして、宅地ならば家屋が完成しているか、完成している家屋はどのような使用になっているか、それによって1年の税額が決められていきます。

 土地、家屋と同じ固定資産税の一つである固定資産税(償却資産)なので、賦課期日が重要になってくるのです。

 そして、どの資産も前年中の新規取得資産の減価償却の方法と考えています。2017(平成29)年度の賦課期日(1月1日)に取得した資産も、半年償却され、2017年度課税になるのです。

 そこで、固定資産税(償却資産)の実地調査では、この賦課期日と固定資産台帳が作成された決算書とのタイムラグも確認します。3月決算の企業が、実地調査時に提示された固定資産台帳が、年度によっては、固定資産税(償却資産)の申告内容との漏れや過剰申告も発生することがあるからです。


■法人税・所得税法上の取り扱いと固定資産税(償却資産)の取り扱い

 償却計算の期間は、固定資産税(償却資産)は暦年(賦課期日1月1日を基準)。そして、法人(事業年度)、個人(暦年)という違いがあります。

 前年中の新規取得資産の減価償却の方法が異なっているということでしたが、ほかにも、国税と地方税の固定資産税(償却資産)の違いには、いくつかあります。

【減価償却の方法】
・法人税・所得税法上の取り扱いでは、定額法、定率法、生産高比例法、取替法、その他合理的方法
・固定資産税(償却資産)の取り扱いでは、定率法(固定資産評価基準3章1節二、三)(取替法の特例)(生産高比例法の特例)
【減価償却限度額】
・法人税・所得税法上の取り扱いでは、償却可能限度額 および 残存価額を廃止し、1円 (備忘価額) まで償却可能 
・固定資産税(償却資産)の取り扱いでは5%(固定資産評価基準3章1節十)(取替資産・鉱業用坑道を除く)
【改良費の評価】
・法人税・所得税法上の取り扱いでは、 原則区分評価(一部合算も可) 
・固定資産税(償却資産)の取り扱いでは、区分評価(改良を与えられた資産と改良費を区分して評価する(固定資産評価基準3章1節十三))

 まず、このあたりは、固定資産台帳のプログラム作成時の計算式等で、どのように行われているかを最初にチェックをします。

 ほかにも、法人税・所得税法上の取り扱いでは建設仮勘定、簿外資産、償却済資産は、減価償却していませんが、固定資産税(償却資産)の取り扱いでは事業の用に供していれば課税しますので、そのあたりも確認していきます。

 このようにして、企業の経理・総務担当者が、どこまで固定資産税(償却資産)を理解して、固定資産台帳からの計算プログラムを作成しているかを把握します。

 そして、固定資産管理番号が引き起こす問題へと進んでいきます。

 私は地方税研修の講師で全国、講演を行っています。固定資産税(償却資産)申告の疑問点については、ここで詳細を確認することができます。

笹目 孝夫
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