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固定資産税(償却資産)講座
第11回:誤らない固定資産税(償却資産)申告書の書き方(1)

2017年12月13日

■固定資産税(償却資産)申告について

 今年も日本中たくさんの自治体で、研修の講師をさせていただいています。企業、個人、税務担当者からの固定資産税(償却資産)申告の方法についても、依頼があれば受け付けているのですが、残念なことに、ほとんど依頼がありません。

 固定資産税(償却資産)は、税務署と同じように、企業、個人へ申告内容の調査が行われています。そして、ふいに地方税務職員が調査に訪れ、決算書等の経理処理内容と固定資産税(償却資産)申告の整合性を確認し追徴課税が発生することもあります。しかし、マスコミに報道されることが少ないためなのか認知度がとても低いのです。

 今の時期は、多くの自治体から固定資産税(償却資産)申告書が発送され、もうすぐ、手元に届く状態になっていると思います。12月末までに固定資産税(償却資産)申告書が手元に届き、来年2018年1月末が、ちょうど申告書の締め切りとなる自治体が多い(納期限も自治体によって異なります)ので、ここで、固定資産税(償却資産)申告書の記入で、誤りやすいポイントを示していきたいと思います。
 
■追徴課税が理解されない原因

 誤解されないように申し上げますが、地方自治体の税務職員は、固定資産税(償却資産)の調査を行い、追徴課税することを、基本的に好ましく思っていません。私も現役時代、追徴課税を行うことを、心苦しく思っていました。これは本心です。

 実地調査で固定資産税(償却資産)の基本ロジックを説明すると、多くの頭脳明晰(めいせき)な企業の経理・総務担当者は理解してくださいます。しかし、実地調査の最初の段階では、担当者は法人税、所得税のロジックについて下記のような質問をされるのです。

「法人税では、こう考えるはずだ......」「なぜ、減価償却していない資産が、課税対象になるのだ」「簿外資産は、申告対象外だろう」など。
 
 企業の経理担当者だけでなく、税務のプロである税理士でも同じです。これは、おそらく多くの会計ソフトで、固定資産税(償却資産)申告が固定資産台帳から作成される仕組みになっていること、そして、償却資産プログラム作成時に誤った処理がされてしまうこと、そして、基本的な法令を理解していないことなどが原因でした。

■固定資産税(償却資産)の基本ロジック

 固定資産税(償却資産)の基本ロジックで特に重要なものは、地方税法第341条の(固定資産税に関する用語の意義)に集約されています。この地方税法第341条には、すべてが集約されているので、この条文だけで、私は1日かけて、自治体で研修を行っています。
 この条文は実に破綻のない、とても美しく完璧な文章です。「法人税法」「所得税法」ではなく、「地方税」を扱ったこの条文をきちんと読みこなさなければ、固定資産税(償却資産)申告書は作成できないのです。ですから、研修でも、この短い文章に1日をかけています。
 これからそれを順に説明していきます。


(引用)地方税法
第三百四十一条
固定資産税について、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 固定資産 土地、家屋及び償却資産を総称する。
二 土地 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地をいう。
三 家屋 住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。
四 償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型」自動車を除くものとする。


笹目 孝夫
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