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日本企業でDXがなかなか進まない理由の1つが人材不足だが、今、企業から注目されている人々がいる。「ニューロダイバース人材」だ。特定の領域で突出した能力は、企業の競争力を高みに導く。多様な特性を持つ人材に活躍してもらうために、企業はどのような環境を整えればよいのだろうか。
取材・文◎武田 洋子
突出して優れた業績を残す人々

グループ人事本部障害者雇用推進部 室長(兼パーソルチャレンジ株式会社
コーポレート本部 事業開発部 ゼネラルマネジャー)
大濱 徹さん(左)
2004年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)へ入社し、障がい者の人材紹介サービス「dodaチャレンジ」に参画。2013年より責任者。現在はパーソルグループで障がい者雇用支援事業を展開する、パーソルチャレンジ株式会社の事業開発に従事している。
パーソルチャレンジ株式会社
コーポレート本部 事業開発部
藤井 亮輔さん(右)
2013年より障がい者専門のキャリアアドバイザーとして、就職・転職支援や採用イベントの企画等を手掛ける。2021年からはパーソルチャレンジにて、先端IT特化型就労移行支援事業所「NeuroDive」における利用者の育成モデル構築をはじめ、障がい者の活躍に関する調査研究に携わる。
総合人材サービスのパーソルグループが定義するニューロダイバース(以下ND)人材とは、脳・神経の特性を生かして顕著な成果を上げる人材を指す。自閉症スペクトラム障害をはじめとした発達障がいの傾向がある人も多く含まれるが、同グループはその特性を障がいではなく能力の多様性と捉え、相互に尊重しながら社会の中で生かしていくことを訴求している。
大濱徹さんは、ND人材が注目されるようになった背景には2005年に施行された発達障害者支援法からの流れがあると解説する。発達障がいの特性を持つ人を早期発見して障がい者支援のフレームに入れ、特別支援教育など社会全体で支えていくことを目的にした法であり、それを機に大人の発達障がいも周知されるようになった。こうして「発達障がい」という言葉が浸透し、該当者の顕在化が進んだのだ。
現在は、日本の人口の6.5%、およそ800万〜850万人が発達障がい者だと推測されている。法には社会参加に資する支援も含まれ、企業の採用が促されているが、大濱さんは障がい者雇用に初めて携わったとき、企業の採用動機に目を見張った。
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