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「ものづくりのエンターテイナー」。株式会社テルミックはそう呼ばれている。金属部品の加工メーカーには珍しく、従業員の約7割を女性が占めるユニークな会社だ。年間1,000社近くが見学に訪れるという同社のDX推進について、社長の田中秀範さんにうかがった。
取材・文◎武田 洋子
IoTからIoEへ 3つの領域でDXを推進
株式会社テルミックは今年2月、経済産業省が提言する「DX認定制度」に認定された。全国でも認定を受けているのは277の事業者のみで、愛知県内の中小企業としては初となる。
平均年齢は30.4歳。金属加工業界としては飛び抜けて女性社員の割合が高く、中でも生産管理グループの女性の平均年齢は28歳と若い。リーマンショックを機にさまざまな改革を実行してきており、その結果、直近5年間の売上高は約10倍に拡大したという。そこには、営業スタイルの主流を外勤から内勤へ変更したり、コロナ禍における社内外のコミュニケーションをオンラインツールに切り替えたり、Webマーケティングの強化で新規顧客を開拓したりといった、さまざまなDXの取り組みがあった。
施策を紹介する自社主催のオンラインセミナーは毎回満席になるなど、多方面からの関心が高い同社のDX推進だが、中心にはいつも社長の田中秀範さんの存在がある。
「DXもSDGsも、新しい言葉が出てくるといち早く取り入れています。もともと、DXの本質である『技術で生活をより豊かにする』ことは、ずっと考えていました」
圧倒的なリーダーシップで、田中さんは3つの領域でDXを推進した。1つは非競争領域のシステムだ。紙ベースの業務をクラウドシステムに移行し、ペーパーレスやルーティン業務の自動化を実現。たとえば、同社の各営業所には天板に大型ディスプレーが埋め込まれたテーブルが据えられており、タッチパネルで資料共有をする。そのほかにもコピー、データ入力、図面や資料を探す手間、集計などといった業務は徹底的に効率化されている。
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