現場任せにしない手厚い施策で完全リモートでも帰属意識を向上 —— 株式会社メルカリ

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株式会社メルカリは、毎月2回、入社者を迎えている。それぞれ15人〜30人で、4月と10月以外は中途採用者だ。完全なる在宅勤務を選べる同社では、入社以来1度も実際に会ったことがないという人もいる。自由な働き方と会社への帰属意識を両立させる、同社のオンボーディングについて取材した。
取材・文◎武田 洋子
コロナ禍で内容を見直しより緻密なプログラムへ
フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用を行う株式会社メルカリは昨年9月、「Your Choice」を宣言した。パフォーマンスやバリューが最も発揮しやすいワークスタイルを従業員が自ら選択できる制度で、現在は日本オフィスを拠点とする従業員の九割がリモートワーク勤務を活用し、そのうち約1割の従業員は1都3県以外の地域から勤務する。社内アンケートの結果では、9割が「個人のパフォーマンスが促進された」と回答するなど、評価は高い。同社のオンボーディングについて、L&D(Learning Development)Teamの細谷杏さんに聞いた。

L&D(Learning&Development)Team
細谷 杏さん
「当社は従業員間のコミュニケーションが活発な社風で、コロナ禍以前のオンボーディングは1日だけ、座学とウェルカムランチという内容で十分機能していました。システムよりもコミュニケーションで補完するイメージです」
ところが、コロナ禍で入社後そのままリモートワークへ移行するようになり、対面のコミュニケーションは激減。「人とかかわれず、孤立感が深まる」という入社者の声を受け、オンボーディングのプログラムを見直した。
1日だったプログラムを2日に延長。初日は出社後の顔合わせとオリエンテーションを終えると、午後は各自労務規定やパソコンの設定など、1人で進められる部分を動画視聴で進める。2日目はメルカリのカルチャーやバリューを伝える内容で、こちらもオンラインだが、画面上で顔を合わせる集合研修の形を取る。
「カルチャーやバリューは従来、人から人へ自然に伝わっていく感覚知だったのですが、オンラインで伝えるために、毎回CHRO(最高人事責任者)が出席して研修を行います。ここはあえて動画にはしていません。オンボーディングが一方通行の無機質なものになってはいけないので、双方向で質疑応答できるよう、CHROには毎月必ず時間を取ってもらいます」
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