もうすぐ施行される改正電気通信事業法、「会社のホームページ」はクッキー規制の対象か?
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IT関連法務・デジタル関連法の実績が豊富な坂生弁護士に、わかりやすい実例、特に違法になってしまうケースを挙げて解説していただく連載、「2022年度デジタル関連法『コレやっちゃうと違法』シリーズ」(毎月第1週月曜日更新)。第8回は、まもなく施行される見込みの改正電気通信事業法による、ウェブサービス関連の「クッキー(Cookie)規制」の対象事業者について解説いただきます。
プラットフォーム系サービスやECサイト、ショッピングモール、公開掲示板、スマホアプリなどの自社サービス、自社のホームページやメールマガジン、どんなサービスを提供している事業者がクッキー規制への対応が必要になるのでしょうか?
初めに
2022年6月13日に、改正電気通信事業法(以下「改正法」といいます)が成立し、その公布日(同年6月17日)から1年以内に施行されることとなりました。改正法では、新たにクッキー(Cookie)に関する規律が追加され、話題になっています。
では、以下のサービスのうち、どのサービスが改正法によるクッキー規制への対応が必要でしょうか?
- ユーザー間のチャット機能があるサービス
- SNS/電子掲示板/動画共有プラットフォーム
- 自社PRのためのホームページ
なお、本稿では、改正法のうち大規模な電気通信事業者を対象とする部分や、登録が必要な電気通信事業者に関する部分は割愛しています。
改正法の対象事業者は「電気通信事業者」と「第3号事業者」
改正法は、対象となる事業者を「電気通信事業者又は第3号事業を営む者」(改正法27条の12柱書)としています。
まず、「電気通信事業者」とは、電気通信設備を用いて「他人の通信を媒介」するサービスを営む者です。「他人の通信を媒介」するとは、「他人の依頼を受けて、情報をその内容を変更することなく、伝送・交換し隔地者間の通信を取次、又は仲介してそれを完成させることをいう。」ことと理解されています。
この定義ではイメージをつかみにくいので、以下で具体的事例を示して説明します。
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