コラム

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BCP(事業継続計画)におけるパンデミック対策とは(1)

2014年07月07日

■パンデミックとは

パンデミックという言葉を一度は耳にしたことのある方は多いかと思います。 また、なんとなく知っておられる方も多いかと思いますので、ここで一旦整理をしたいと思います。

BCP(事業継続計画)におけるパンデミックとは、新型インフルエンザやSARS(新型肺炎・重症急性呼吸器症候群)など新種のウイルスなどを含む感染症(伝染病含む)で、人に感染する世界的な大流行を指します。
また、国内や一部の地域で流行している感染症はエンデミックやエピデミックと呼ばれており、BCPではこれらに対応する対策が必要となってきます。

事業継続において、人員不足による事業の停滞や停止は、利益の損失だけでなく、取引先や顧客を失う恐れもあります。交通機関などの一時的な停滞と異なり、パンデミックによる人員不足は、長期的な影響が出るため極めて重大です。
このことから、パンデミックによる段階的な対策が必要となります。

なお、医療機関や高齢者・幼稚園・保育所などの福祉施設は、もっと詳細な対策が必要となります。


■パンデミック対策の段階的フロー

1.感染症の情報収集
2.感染症の予防対策
3.感染症の拡大防止(レベルに応じた対策)


■感染症の情報収集

「感染情報の入手先」から定期的に情報の収集を行い、以下のような項目を「感染症情報」として把握しておくことが必要です。

 ・感染症の種別とその特徴
 ・感染拡大状況の把握
 ・感染経路(どのように感染するのか)
 ・潜伏期間から治療・完治までの症状経過タイムテーブル
 ・どのような人(状況)が感染しやすいのか
 ・感染に対しての重篤度(致死率)
 ・治療薬とワクチンの有無
 ・予防対策の発動基準の決定
 ・ハイリスク者(※)の有無

※ハイリスク者:感染することで、重症化したり、致死率が高い人(幼児・高齢者・妊婦、免疫不全、呼吸器疾患、心疾患、、糖尿病、原発性疾患、各慢性疾患など)


■感染情報の入手先

国立感染症研究所
インフルエンザを含む国内のあらゆる感染症情報が集められています。

・感染症発生動向調査 週報(IDWR)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr.html
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MLインフルエンザ流行前線情報データベース
医療機関からの症例報告を基にデータベース化
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International Society for Infectious Diseases
感染症などの最新レポートを定期的にメール(英文)で配信。特に海外に拠点を持つ企業には有効です。
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地方衛生研究所マップ
全国各地の地方衛生施設を探すことができます。
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◇または各都道府県の「検索キー:感染症+都道府県名」で下記のような機関を検索することができます。
例:東京都感染症情報センター
例:神奈川県衛生研究所


<参考>
Googleは検索語のビックデータを分析して、CDC(アメリカ疾病予防(対策)管理センター)が提供するインフルエンザ症例(2007-2008年)とGoogleの検索語予測を比較したところ、特定の検索語のうち45個が高い相関関係であることが分かりました。
また、インフルエンザの流行がCDCよりもGoogleの方が1-2週間早く、ほぼリアルタイムに特定できたそうです。
CDCの公式データよりも、Googleの方がタイムリーに予測できるため、今後はインフルエンザなどの流行をいち早く予測するのに有効な手段になるのではないかと考えられています。

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松島 康生
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