コラム

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BCP(事業継続計画)におけるパンデミック対策とは(2)

2014年07月28日

■感染症の予防対策と感染の拡大防止

感染症の種別とその特徴に応じた予防対策を講じ、感染の疑いのある人を早期に発見し、感染者を社内に入れないための対策が必要となります。そのためには下記のような準備が必要となります。

◇業務に対しての影響度(発症から完治までの欠員による人員的な影響など)を調べる

◇所管の保健所から定期的な情報の入手

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◇出社基準の策定
感染症の特性に応じて、初期症状や医療機関での受診結果、治癒しても○日間は潜伏期間として出社させない等の基準作りが必要です。


■予防対策例(インフルエンザ)

感染症の種別とその特性に応じて、予防対策を講じる必要性があります。特に業種(医療機関・高齢者施設・乳幼児施設・食品等取扱事業者など)に合わせた対策レベルが必要となります。
ここでは一般的な事業所でのインフルエンザ対策を例にあげて記します。

 ・社員への予防策: マスクの着用、時差出勤、海外出張者の検査義務など
 ・社員家族に対しての呼び掛け: 家庭内の感染予防、家族に感染者が見つかった場合の連絡など
 ・衛生対策: 手洗い、マスク、うがい薬、消毒・除菌薬、ゴム手袋、医薬品の設置
 ・感染症予防研修: 飛沫感染と接触感染、効果的なマスクの使い方、手洗いの効力など
 ・感染症の報告: 症状の確認方法、出社基準の策定、報告先の設定など


■感染症の拡大防止

既に感染症が周辺域でも確認され、予防対策に加えて、拡大防止策を講じる必要がある場合に、下記のような拡大防止策を段階的に講じる必要があります。

◇BCP(事業継続計画)の警戒レベル
WHO(世界保健機関)によるパンデミック警戒フェーズとは異なり、BCP(事業継続計画)では、社内で共有できる段階な警戒レベルとしています。
例として、災害リスク評価研究所で使用している警戒レベルの目安を下記に示します。

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◇「感染症対応策表」の作成と実施
感染症の脅威レベルや業務内容に応じて、事業所ごとにレベル基準を定めて実施します。

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「感染症対応策表」は、業務内容や感染症の脅威レベルに応じて、内容を変更する必要があります。
下記に拡大防止策例を示します。

◇拡大防止策例

・出社制限: 疑いのある人は、医療機関で受診を必要とする
・出社基準: 症状に応じて出社or休みなどの判断基準
・出社形態: 業種によっては自宅作業やサテライト・オフィスなどを利用
・直行直帰: 営業職などの場合、リスクを少しでも減らすため移動を最小限にする
・時差出勤(フレックスタイム): ラッシュ時の通勤時間帯を避ける工夫
・移動手段の検討: 公共交通機関だけでなく、自社車両やタクシーなどを検討する
・社内対応: 飛沫感染の予防にマスクの着用等
・感染者リストの作成: 発症から復帰時期を予想する等にも使用
・取引先対応: 打ち合わせ等の対応基準......直接的な接見応対を避け、電話、メール、TV電話などを利用する
・取引先等への周知: 安易な打ち合わせ等は避け、電話やTV会議などを利用する旨を連絡・周知する
・お客様の対応: 社内の状況を踏まえた対応基準
   *社内での感染拡大が確認された場合は、お客様に迷惑が掛からないように、客先にて対応する等
・人員不足による事業への影響と対策: 欠員時の補充要員の検討、重要業務の優先順位、技量や有資格の可否(誰でも出来る仕事かどうか)など

◇解除の設定基準

松島 康生
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