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固定資産税(償却資産)講座
第13回:誤らない固定資産税(償却資産)申告書の書き方(3)

2018年05月11日

■役所と企業で齟齬(そご)が生じる理由


 前回までの話で、法令の基本的な読み方を理解できたでしょうか。役所というのは、基本的に法律に基づいた組織なので、国であれ、地方であれ、役人は法律の解釈論で、話を進めていくのが習慣になっています。公正性、公平性を保つために身に染み付いているといってもいいかもしれません。これが、企業の総務、経理担当者との会話が通じなくなる大きな問題点なのです。

■法律における「例外」の示し方(1)

 では、彼ら役人の使用する言語体系がどのようなものか考えてみましょう。法律の基本構造というのは、非常に論理的にできていて曖昧さを排除しています。前回、「土地及び家屋以外の―」の「―以外」について述べました。法律は、まず、「原則」を記し、「例外」を加えます。これは、よく使われる書き方です。

 地方税法第341条の条文だけでも、「例外」事例がいくつも使われています。「―以外」のほかに、この第341条の定義条文を読み、いくつ「例外」が記載されているか、意識しながら読んでみてください。


償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法 又は所得税法 の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。


 つまり、事業の用に供することができる資産のうち、

(1)土地及び家屋以外
(2)鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く
(3)減価償却額又は減価償却費が法人税法 又は所得税法 の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外
(4)自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く

と、なります。このことから「以外」「除く」は、原則の「例外」を羅列していることがわかってくると思います。

 この「定義規定」をさらに簡略化すると、次のようになります。

・土地(不動産登記法<土地>・土地評価基準)以外
・家屋(不動産登記法<家屋>・家屋評価基準)以外
・無形減価償却資産(所得税法・法人税法)除く
・取得価額が少額である資産 その他の政令で定める資産(所得税法・法人税法)以外
・自動車税(地方税法)除く
・軽自動車税(地方税法)除く

 また、この「例外」には、根拠法なども存在していることがわかります。

■法律における「例外」の示し方(2)

 「例外」の示し方には、「以外」「除く」のほかにも、「ただし」などが使用されることもあります。 たとえば次の例です。


第348条2(固定資産税の非課税の範囲)

固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。


 このように、本文で「以外」「除く」「ただし」「?この限りではない」と書かれたときは、それは「例外」なのです。ほかに、本文以外にも、前後の条、項などに「例外」規定を記すことがあります。


第348条3 (固定資産税の非課税の範囲)

市町村は、前項各号に掲げる固定資産を当該各号に掲げる目的以外の目的に使用する場合においては、前項の規定にかかわらず、これらの固定資産に対し、固定資産税を課する。


 「前項の規定にかかわらず」が、それに当たります。

 このように、法律というのは、「原則」を記して、「例外」を加えるという構造であるということです。まずは、このように、より法令の言葉を明確にしていきましょう。

笹目 孝夫
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