総務 / 業務改善 / BPO
経費削減&コア業務へのシフトを実現するBPO【第4回】イノベーションを成功に導く秘訣「業務可視化」
2021年02月18日
第1回では変化へ対応するための業務の在り方やリソースの見直しの必要性が高まっていること、第2回ではその解決策としての外部リソースの活用、そして第3回では総務におけるコア業務とその実現を支える総務BPOサービスをご紹介しました。
本稿では、イノベーションを推進するにあたって、どのようなプロセスを経ていくことが大切なのか、またそれらの実施手段についてご紹介します。
■イノベーションが急がれるワケ
働き方の見直しはコロナ禍で一気に加速しました。しかしながら、状況が落ち着き始めると、また以前の勤務体制に戻ったというニュースを耳にした方も多いことでしょう。そういった現状を前に、本当にイノベーションは必要なのでしょうか?
生産性を高くし、ワーク・ライフ・バランスを大切にする。そのような崇高なスローガンから始まった働き方改革も、「時間や人手が限られ、場所は柔軟に」というより現実的な避けられないテーマとして目の前に迫ってきています。コロナ禍をきっかけに変化することができた企業とそうでない企業は、Afterコロナの世界では全く違う景色を見ているかもしれません。
事業継続のためにどのような選択をし、準備を進めていく必要があるのか。イノベーションが必要な今、何から始めるべきなのでしょうか?
■業務を正確に知ることがスタート
ほとんどの業務は複数の部門や担当者を介して行われますが、自分が担当する業務の前後でどのような処理が行われているのか、各業務においてどのくらいの量を処理しどれだけの時間を要しているのか、その実態を把握できているケースはまれではないでしょうか? 特に総務業務は種類も多く、非定型であったり、年に一度だけの業務もあったりするので属人的になりがちです。
そのような状況で会社全体を見渡したとしても、どこにボトルネックがあるのか、高い効果が見込めるポイントはどこなのかを見極めるのは困難でしょう。イノベーションを「新しい考え方を用いて新たな価値を生み出し、変化を起こすこと」と定義するならば、現状を正しく理解して初めて新しい気付きが生まれるといえます。
(1)業務の実態を数値化(計測)する
前述のように課題が明確になっていない、改革すべき対象が絞り込めていないときに有効です。まずは、どのような業務が存在しているのかを書き出し把握します。そして、それぞれの実態を計測・数値化し、問題点を洗い出していきます。数値化され問題が目に見えるようになるということは、思い付きのように取り組むことを避ける、より効果を見込めるものから取り組むなど、無駄なく効率的に進めることにつながるとともに、改革を推進する側とそれを受ける現場の理解を一致させやすくする、つまり、納得感の醸成にも効果をもたらします。
業務実態を数値化(計測)し分析することで、洗い出したいポイント
計測方法には、実際の現場でモニタリングする方法、社員にかかった時間を記入させるアンケート形式、社員が推測し、記入する方法などがあります。テンプレートもいろいろ公開されていますので、自社の業務に合いそうなものを探してみるとよいでしょう。
いろいろな業務の「どこに」「どのようなボトルネックが」「どれくらいあるのか」を把握することで、取り組むべき優先順位が見えてきます。これが業務実態の数値化の目的です(何を基準に優先順位を決めるかは、おのおのの企業の理念や置かれている状況によって変わります)。
(2)業務プロセスを可視化し、解決アクションを検討する
すでに課題がある業務が明確な場合、もしくは(1)を経て対象が絞り込めたという段階まできたら、その対象業務についてさらに掘り下げていきます。業務プロセスの可視化です。業務実態の数値化と重なる部分もありますが、より詳細な業務フローチャートを作成し、どのフローにどのような課題があり、最適な解決アクションは何かを導き出していく作業です。次のようなステップで行います。
〈1〉業務プロセスを可視化するとともに、それぞれの業務の工数を算出。併せてメンバー属性情報などを含む運用体制についても可視化する。
〈2〉業務フローチャートを作成し、各プロセスのステークホルダー、イン/アウトプットデータに関して明確にしていく。
〈3〉〈1〉の情報を基に「組織・人」「プロセス/業務手順」「システム」「オペレーションルール」「ロケーション」「過去インシデント」等の観点から、課題となる事項を抽出。
〈4〉具体的な解決アクションを検討する。現状に大きな変化を必要とするものほど難易度が高くなる。予算や体制を考慮し、解決アクションを熟考する。
■可視化がもたらすメリット
可視化は課題を明確にしていくメリットはもちろん、先に述べた通り改革を進めるにあたっての共通理解を醸成するためのツールとなる点が最大のメリットと考えます。「なぜそれをするのか」を体系立って理解している方が協力を得やすくなるのは想像に難くないでしょう。
【業務フローチャートがもたらす共通理解】
・業務全体における担当業務の位置付けの理解
・ステークホルダー、イン/アウトプットとの関係性の理解
・どこにボトルネックがあるのかの理解
・ボトルネックと解決アクションのひも付きの理解
・改善の進捗理解
■実施手段の検討 〜外部リソースの活用〜
業務実態調査や可視化については、さまざまなツールやフレームワークが公開されており、自社で取り組むことも可能です。しかしながら、さまざまな部門の協力を必要とするため、プロジェクトの推進についての難易度は高いといえます。そういったことから外部リソースの活用も有効でしょう。
コンサルティング会社やBPOベンダーが支援サービスを展開しています。BPOベンダーは実際の業務を請け負ってきた経験から多くのノウハウを持っているので、より実践的な解決策を提示してくれるという特徴があります。調査にかけられる期間、人員などを考慮し、最適な手段を検討してください。
■最後に
根本的な改革を行っていくには魔法のようなツールや手段はありません。多くの工程を経て、ブラックボックス化した業務をひも解く必要があります。ノウハウを持った伴走者を迎えることで成功までの道のりを、より快適なものにするのも一つの選択肢です。
次回は最終回。BPOベンダー選定のポイントをご紹介します。
関連情報:キヤノンマーケティングジャパンBPO紹介サイト
https://cweb.canon.jp/solution/bpo/?utm_source=g-soumu&utm_medium=referral&utm_campaign=g-soumu_column4

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