オフィスの引越:移転の挨拶

最終更新日:2010年03月03日

移転の際の挨拶には、新築の場合、工事着工前、竣工前、移転前、引越作業前の順で、関係企業や近隣、官公庁に挨拶を行う。その外の挨拶としては、流通倉庫等で車両の出入りが激しい場合は、その動きを時系列にまとめ、道路を共有する近隣へは事前に説明し、相手の動きも把握しておく。場合によっては、車両の動きを従来のものより変更する必要が生じてくることもある。また、玄関の都合によりバス停を移動する場合や、歩道を切り下げることになることもある。その場合は、建設会社の主導のもと、施主側代表として一緒にバス会社に移動の依頼に行ったり、歩道の場合だと警察に説明しにいくことになる。また、近隣でそのバスや歩道を利用している関係先へも説明することになる。施主側代表として建設会社と同行するものは、市役所の建築課や上下水道課がある。この場合も建設会社が主導で行うので施主側が行動をおこす必要はなく、指示のもと同行して説明に行く。

●工事着工前

工事着工前の挨拶はその2週間前ぐらいに手土産を持ち、建設予定地周囲の直接面する近隣へ挨拶しに回る。用意する文書としては挨拶文、建設概要、現場の図面である。総務部長と事務局担当者、建設会社の現場所長と事務担当者の四人程度で回ることになる。相手先も企業であれば総務部門の担当者となり、その際、携えた建設概要をもとに建物の概略の説明を行う。移転先に自治会や町内会等があるのであれば、あわせてこの時期に挨拶先企業より情報を収集し、参加するのかしないのかの判断をしておくことが必要となる。加盟するならば、しかるべき時期にその中心的企業(幹事会社)や人物に会って、加盟の意志を伝えるとともに、加盟の手続きに入る。竣工間近になったら、着工前に挨拶した先に電話でかまわないので、正確な竣工時期と入居開始時期を伝えると良い。

●移転前

移転前の挨拶は、移転案内を郵送してすますケースと、事前にきっちりと出向き挨拶するケースがある。官公庁には必ず出向いて挨拶するべきである。官公庁に関しては、諸々の変更の届け出が必要になるので、結局は出向くことになる。よって、移転の挨拶と共に変更の届けについて教えてもらうという意味でも、各関係部署が移転1ケ月前ぐらいに出向くのが良い。税務署へは経理部門が、社会保険事務所と労働基準監督所には人事部門が、消防署(防火管理者の届)、警察署と公安委員会(安全運転管理者の届)へは総務部門が挨拶に出向く。その外、重要な関係取引先、取引金融機関へはそれぞれの会社の事情により出向く先を決定する。出向く際には、移転案内文書があればそれを用いて挨拶することが望ましい。要は、郵送で連絡するのではなく、わざわざ御持ちしましたというニュアンスを相手に伝える事が重要である。総務で各部門に依頼し、進捗状況を管理していく。

●引越作業前

引越作業は通常夕方から深夜にかけて行うこととなるので、搬出先(旧建物)と搬入先(新建物)の近隣には挨拶が必要になってくる。引越の2-3日前に行う。手土産と簡単な作業工程書を携えて、移転担当者と引越業者の二人で挨拶する。搬出先近隣では、あわせて、今まで御世話になった意味も含め、搬入先では、これからよろしく御願いしますという意味を含める。どちらの場合も、運送用のトラックが駐車することになるので、その点を特に注意して説明する。

(執筆:『月刊総務』)

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