最終更新日:2010年03月14日
引越基本計画の中で最も重要な事項は、当然ながら引越日をいつにするかということである。決め方として、引越日について諸々の要因により既に確定している場合と、おおよその予定が決定しており、そこから諸々の要因により確定していく場合とがある。移転の場合とレイアウト変更の場合、それぞれ決定要因が異なるので注意すること。日時が決まれば、タイムスケジュールを当日と翌日につき作成する。日程の確定をまって、図面の作成も開始すること。
●移転の場合
新築ビルの場合、建物の竣工、引渡、そして竣工式がある。場合によっては披露パーティーがあり、その後に自営工事が入り移転となる。移転以前にどんな行事や必要工事があるのかを確認しておく必要がある。また、その他の条件として日取り(竣工式を大安に行う等)の問題を考慮する場合もあるので確認が必要である。いくつかの諸条件の中で、特に自営工事は重要であるので、建物建築段階初期に自営工事の範囲を確認しておくことである。通常、自営工事は電話やシステムに伴う配線工事が主なものである。工事範囲にもよるが、新築の場合は1週間から2週間程度かかる場合があるので、その点を考慮して移転日を確定していく。そしておおよその必要期間が確認できたら、移転日から逆算して諸々の工程を決定していくこととなる。
●レイアウト変更の場合
同一ビル内でのレイアウト変更の場合は、まず引越日が決まり、自営工事と引越作業を通常3日間程度の期間内で同時に行なうことになる。曜日という観点で引越日を考えた場合、通常は金曜日の夜から土曜日、日曜日、場合によっては月曜日の未明までに引越や自営工事を行なうことが多い。同一ビル内でのレイアウト変更の場合は、この3日間の間に自営工事と引越作業を完了させなければならない。よって、1度に全ての対象部署の引越しを行なうか、1週間ごと何回かに分けて行なうかを検討しなければならないこともある。
●タイムスケジュール
引越当日や翌日のタイムスケジュールは正確な時間単位で決めていくことになる。梱包開始時間、機器解体開始時間、搬出開始時間、搬入開始時間、機器設置開始時間、開梱開始時間等、円滑な引越作業遂行のために全社統一で決定していく。また、当日と翌日のスケジュールはシステムの移設を中心に決定していく。システムを遮断して、機器を搬出搬入し、接続するまでどの程度の時間が必要なのかを確認して、その必要時間から逆算して業務を終了させることになるからである。勿論、システムを使用しない業務はその範囲外でも可能であるが、基本的にはシステムの稼動に併せて引越スケジュールを組み立ていくこととなる。
●図面
当然ながら、引越作業については図面がなければ何もできない。引越作業では、新レイアウト図面、旧レイアウト図面、解体組立図面が重要であり、自営工事では、電話図面と電源図面及び端末図面が必要になる。そして、引越作業は新レイアウト図面と旧レイアウト図面に記入されたナンバリングをもとに配置がなされる。このナンバリングは複雑で手間のかかる作業ではあるが、引越作業の中で最も重要な図面であり、かつ誤りは許されない。ナンバリングでミスを犯すと、円滑な引越作業はまず無理である。
(執筆:『月刊総務』)
オフィスの引越 に関連するその他の用語
スケジュールに関連する記事(総務・人事・広報・法務・イベント情報)