月刊総務プラス

『月刊総務』本誌連動:

総務パーソンが押さえておきたい11月のトピックス

2018-10-30 11:38

2018. November

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告の概要

 2018年6月28日に「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告? 資本市場における好環境の実現に向けて?」が公表されています。「投資家の投資判断に必要な情報を十分かつ適時にわかりやすく提供し、建設的な対話に資する情報開示や、企業情報の開示および対話に資する情報開示を促進していくため、企業情報の開示および提供の在り方について検討を行うこと」という麻生金融担当大臣の諮問を受けて、審議した結果をまとめたものです。
 そして、本報告を踏まえて有価証券報告書の内容が修正されることになります。たとえば、「役員報酬に係る情報」は「役員報酬プログラムの内容の開示の充実を図り、その上で、報酬内容と経営戦略等との整合性の検証の進展や、我が国における役員報酬額の水準の変化等を踏まえながら、必要に応じて個別開示のあり方について検討すべきである」とされています。監査は、会計監査人の評価および監査役会等による監査人の選任・再任の方針および理由ならびに監査人監査評価、監査人の継続期間、監査業務と非監査業務に区分した報酬額・業務内容の開示のほか、監査役会の具体的な活動状況について、開催頻度や出席状況等の計数的な開示だけでなく、議論された内容や常勤監査役の活動等の状況も開示すべきであるとされているため、有価証券報告書の記載にも工夫が必要です。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●最低賃金の平均額は874円

 各地方最低賃金審議会の答申による、2018年度地域別最低賃金額が全都道府県で出そろいました。これは、中央最低賃金審議会が示した目安を参考にしたものですが、地域によっては、1円から2円程度上乗せされています。答申された改定額の全国加重平均額は874円、引き上げ額は26円となっています。答申された地域別最低賃金は、手続きを経た上で今年10月中に順次発効される予定です。一方、政府の主導する「働き方改革実行計画」では、今後も年率3%程度をめどとして最低賃金を引き上げ、最終的には全国加重平均が1,000円になることを目指すと記載されています。計画が実行されれば、今後も5年程度はこの傾向が続くことになります。その場合、最低賃金がもっとも高い東京都では、1,100円から1,200円程度になることが予想されています。


●36協定の新様式案

 厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会)では、働き方改革関連法の施行に伴う指針案等の審議が進行しています。今年8月9日の審議会では、三六協定の新様式案が公表されました。新様式案では、今でいうところの特別条項を発動する場合の手続きや健康確保措置について記載する欄が設けられました。また、法定の上限時間を超えていないことを確認する「チェックボックス」が新たに設けられています。

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●外国で作成される契約書に貼付する収入印紙

 印紙税法が適用される地域は日本国内に限定されるため、契約書の作成が国外で行われる場合には、収入印紙の貼付は不要となります。これは当該契約書の定める内容が日本国内に関する取り引きの場合や、当該契約書が日本国内にて保存される場合においても同様です。なお、契約書の作成時期は、「契約当事者の意思の合致を証明するとき」です。たとえばA社とB社の間で契約を締結する場合、A社とB社の「両社」が契約書に署名捺印したときが「契約当事者の意思の合致を証明するとき」となり、そのとき(両社の署名捺印が完了したとき)の場所が国外の場合、収入印紙の貼付は不要となります。


●時間外勤務が深夜に及ぶ場合の宿泊費の扱い

 従業員の時間外勤務が深夜にまで及び、交通機関を利用して帰宅することができない場合もあるかと思います。この場合にホテル等に宿泊させたとき、当該宿泊費は従業員に対する経済的利益の供与として給与課税(源泉徴収)をする必要はなく、旅費交通費等として損金の額に算入することができます。これは、当該宿泊費は、従業員の勤務に対する対価というよりも会社が負担すべき「業務遂行上の費用」と考えられるためです。なお、時間外勤務が深夜に及んだことを証明できるようにするため、退社時間やホテルのチェックイン時間を明確にしておく必要がある点に留意する必要があります。

『月刊総務』2018年11月号P7より転載