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固定資産税(償却資産)講座
第5回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(5)

2017年04月28日

■ 中小企業の生存率

 前回、キャッシュフロー経営の危うさや、本質について述べました。
 企業経営には、突然、キャッシュフローが必要になることがあること。そして、そのキャッシュフローの悪化により、倒産になってしまうことなどです。

 古い情報になりますが、日経新聞の1996年の調査に中小企業の生存率があります(新設法人8万社の行方)。
・1年後  60パーセント (廃業率40パーセント)
・3年後  38パーセント (廃業率62パーセント)
・5年後  15パーセント (廃業率85パーセント)
・10年後  5パーセント (廃業率95パーセント)

 この数字を見ると、3年後には、半数以上の企業は残らず、10年後まで、残る企業は、ほとんどないということです。すごい現実です。しかし、反対に言えば、生き残っていく企業もあるということです。

 その違いはなんでしょうか。生き残る企業は、震災、金融危機、訴訟、関連会社の倒産、そして、国税、地方税による税務調査による追徴課税も、偶然ではなく必然であると考えているということです。それならば、日常的にリスク要因を、どうしたら減らせるかを考えています。

 固定資産税(償却資産)の実地調査で、聡明で優秀な総務・経理パーソンに出会うこと。そして、実地調査の会話でも「賢者の質問」をします。

 賢者の質問する総務・経理パーソンというのは、リーマンショックのような金融危機でも、生き残る金融機関があったこと、内部通報による訴訟が起こる前に、その原因を考えて、対処する企業があること、関連会社の倒産を想定して、危険分散をしている企業があることなどを知っています。それらをニュースではなく、処理すべき課題として考えています。

 そして、健全なキャッシュフロー経営をするためには、大きな資金繰りの前に、日常の仕事の向き合い方で、今、どこまで対処できるかを知ろうとするのです。

 税務調査・実地調査による追徴課税が発生したときも、同じような態度をします。追徴課税されたことを感情的な反感ではなく、論理的な分析として考えます。それも、税務職員に指摘されたことだけを考えているのは凡庸なのです。

「愚者の質問」「賢者の質問」

 「地方税まで実地調査なんて、中小企業の現実を知らないよ」「市長の○○さんは、知り合いなんだ。そういえば、課長は元気?」。このような会話から、始まることがあります。直接的でハードに威嚇するものや、とても丁寧でソフトな、泣き落としのもあります。これは、勢いの良い社長や、税理士が立ち会ったときに多い会話です。
 若い税務職員がいる場合は、この洗礼を最初に浴びます。

 「地方税の税務調査は固定資産台帳を送付すれば済むのでは......」「どのくらいの割合で、地方税は、調査を行っているのですか?」。さきほどの例ほどではないにしても、これは「愚者の質問」です。この質問には、税務調査員は、はぐらかすか、曖昧に答えるでしょう。

 「固定資産税(償却資産)の実地調査は、固定資産台帳を見るだけではないのですね。法人税申告書、決算書も関係してくることがわかりました」「固定資産台帳を、購入時、作成時、廃棄時に、ミスが生まれることがわかりました」。このように賢者の質問は、「では......」と続くのです。

 私は地方税研修の講師で全国、講演を行っています。固定資産税(償却資産)申告の疑問点については、ここで詳細を確認することができます。

笹目 孝夫
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