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固定資産税(償却資産)講座
第7回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(7)

2017年06月26日

■ 固定資産管理規程の落とし穴

 ある実地調査において、固定資産台帳には載っているのに、現物(機械装置)が見当たらない資産があったことがあります。逆に、現物(機械装置)は存在するのに、固定資産台帳には記載がないということもありました。毎年の決算日には、現物実査をして確認し、機械を旧式から、新式のものに入れ替えたときにも、旧式の機械については処分をするルールになっていました。どうして、このようなことが起きるのでしょう。

 基本的なルールは、固定資産管理規程に基づき、固定資産台帳に資産ごとに設置場所や番号を入れて管理する仕組みになっているはずです。機械装置を購入したときに、工場の固定資産として固定資産台帳に登録し、資産ごとに資産番号を振る、パソコンで固定資産台帳管理するために、多くの企業が処理する方法です。

■ 固定資産管理番号について

 固定資産管理のため、固定資産台帳には、それぞれの資産ごとに、固定資産管理番号が振られます。しかし、この固定資産管理番号の意味についても安易に考えないでください。
 パソコンなど、名称が同じで類似のものが多くある資産は、どう把握していると思いますか。購入した資産すべてに、固定資産管理番号が振られるのでしょうか。
 少額の減価償却資産には、さまざまな経理処理があります。

(1)少額償却資産:法人税法施行令第133条の2又は所得税法施行令第139条第1項に規定する資産
(2)3年間一括償却資産:法人税法施行令第133条の2又は所得税法施行令第139条第1項に規定する資産
(3)即時償却資産:租税特別措置法に基づく「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 これらに該当する資産にも、すべて固定資産管理番号を振られるのでしょうか。それとも、名前の通り、固定資産にのみ、管理番号を振られるのでしょうか。
 少額の固定資産は、現物実査においては軽視される傾向があります。少額の減価償却資産としてのパソコンを廃棄、除却する場合、きちんと区別ができていますか。有形固定資産として耐用年数があるパソコンのみ、資産番号を振っているとしたら、数年後に、類似パソコンを廃棄した場合に、(3年間一括償却資産)のパソコン、(即時償却資産)のパソコンなどと、区別されて処理されているでしょうか。

 一方で、支店間、工場間で、パソコンなどを移動する場合があります。この場合も、有形固定資産の経理処理、それ以外の経理処理などで、しっかりと連動して処理されているか疑問です。
・支店、工場では、除却処理したが、本社の経理部門では固定資産台帳から削除されない
・あるいは、本社の固定資産台帳では処分したが、実際にはまだ使用中の現物の資産が、支店、工場では存在している
・特定の場所に置いてある資産については現物実査の対象外とされている。遊休資産になり、保管されている場合は、現物実査が行われない
等々よくある現象です。

 固定資産台帳に登録をする際、「ΟΟΟΟ一式」で登録しているものもあるでしょう。
 たとえば、「ΟΟΟΟ一式」が「建物一式」「構築物一式」だとして、そこに電気設備、給水設備、消火設備などを含み、区分していない場合を考えてみてください。消火設備の交換があった場合、「建物一式」の一部除却をするのでしょうか。そして、新規の消火設備には、新しい資産管理番号を振ることになるのでしょうか。

 このように、固定資産管理規程があり、それにより、固定資産の区分別に台帳へ固定資産管理番号登録して、さらに定期的に現物とも照合するようにしていても、以上紹介したような問題が発生し、徐々に混乱が始まるのです。

 しかし、固定資産管理番号が引き起こす問題は、実はこれだけではありません。次回に続きます。

 私は地方税研修の講師で全国、講演を行っています。固定資産税(償却資産)申告の疑問点については、ここで詳細を確認することができます。


笹目 孝夫
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