スタートアップバックオフィス(経理・財務)の始め方

【スタートアップ経理の基礎知識】バックオフィスの役割と法人設立時に必要な税務手続きとは?

税理士法人田中経営会計事務所 代表社員 税理士/中小企業診断士 田中 慎
最終更新日:
2024年10月30日
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スタートアップの経理と聞くと、資金調達や上場準備をイメージするでしょうか? もちろんそのような高度な課題をクリアしていくための知識も必要ですが、創業期のスタートアップ企業を見ていると、どの企業でも必要とされる経理や税務の基本的な理解ができていないケースが多く見受けられます。いかにビジネスモデルがすばらしくても、「基本的な税務の手続きができていなかった」「経理も丸投げでわかっていない」というような管理が甘い企業に投資をしたいとは誰も思いません。本連載「スタートアップバックオフィス(経理・財務)の始め方」では、スタートアップ企業に限らず、最低限知っておきたい経理や税務の知識について説明していきます。

多様な選択肢を大事にする、スタートアップの経理面の課題

まず、スタートアップの経理として心得ておきたいことは、「多様な選択を認めると、バックオフィス業務が複雑化する」ということです。スタートアップ経営者は従来の発想にとらわれない多様な選択肢を好むことが多いでしょう。それはサービスのみに限らず、働き方や、お金の面に関してもそうです。自由で挑戦的な組織風土を支える意味では、多様性はもちろん大事なポイントとなります。しかし、多様な選択肢を組織内に抱えるということは、一般的にはバックオフィス業務が複雑化することを意味します。

決済手段を一例としてみましょう。顧客に対する商品販売の場合でも、現在は決済手段が多様になっています。現金は極力なくすにしても、銀行振込、口座振替、クレジットカード決済、電子マネーなどによって入金先や入金時期、管理ツールが変わってきます。それだけではなく、新たな売り上げを期待して地域通貨、暗号資産、ポイントなどに対応することなどもよく見受けられます。

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著者プロフィール

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税理士法人田中経営会計事務所 代表社員 税理士/中小企業診断士
田中 慎

京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)イノベーション・コーディネーター。長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科非常勤講師。中小企業支援においては、経営戦略策定からクラウド会計をはじめとしたIT利活用による業務効率化支援を得意とする。起業支援の中でも、インパクトスタートアップやローカルゼブラ企業といった社会課題解決と事業性を両立する企業の支援に注力している。

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