スタートアップバックオフィス(経理・財務)の始め方

月額少額支出でも悩むシステム導入の時期……スタートアップにおいて整備すべき経費精算ルールは?

税理士法人田中経営会計事務所 代表社員 税理士/中小企業診断士 田中 慎
最終更新日:
2025年01月31日
202501l_00

スタートアップのバックオフィスにかかわらず、経費精算は経理の仕事の中でも比較的初心者に任されやすい業務かもしれません。しかし、インボイス電子帳簿保存、消費税区分の確認といった税務の知識や、不正を防止しながら効率化をはかる仕組みづくりが特にスタートアップ経理では求められます。経費精算に関する基礎的な知識はほかの記事にお任せして、本稿ではスタートアップの経費精算実務におけるシステムの導入やルール整備などについて、考え方や注意点を説明します。

経費精算システムを導入すべき時期ときっかけ

経費精算は一般的に次のような流れで進められます。

  1. 領収書などの収集
  2. 経費申請書の作成
  3. 上司の承認
  4. 経理の確認と支払い

図表:経費精算の仕組みと効率化ポイント

ただ、社員数が少ない場合には経費申請書や上司の承認というプロセスも未整備なことがあります。スタートアップ経理としてはその流れの整備が最初の仕事になるでしょう。今はクラウド会計ソフトも経費精算機能が付いています。

社員数ごとの月額料金の支払いで、経費精算機能が使えるようになってきているため、役員以外の社員が入るタイミングで経費精算機能の導入をすることもあります。本来は初期の段階でシステムを導入してルールを整備することが長期的な観点では良いと思いますが、1人当たり月額数百円といってもスタートアップとしては支出を迷うでしょう。

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・組織の強化・支援を推進する記事が読める
  • ・総務部門の実務に役立つ最新情報をメールでキャッチ
  • ・すぐに使える資料・書式をダウンロードして効率的に業務推進
  • ・ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツの利用が可能に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

s-tanaka

税理士法人田中経営会計事務所 代表社員 税理士/中小企業診断士
田中 慎

京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)イノベーション・コーディネーター。長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科非常勤講師。中小企業支援においては、経営戦略策定からクラウド会計をはじめとしたIT利活用による業務効率化支援を得意とする。起業支援の中でも、インパクトスタートアップやローカルゼブラ企業といった社会課題解決と事業性を両立する企業の支援に注力している。

関連記事

  • 食で社員を応援! 総務が値段を決められる自由さがポイント。豊富なアイテムがそろうミニコンビニ PR
  • 何となくで選んでない? 実は重要なオフィスの「照明」。空間に合った明るさや色味が与える効果 PR
  • 「交通事故ゼロ」を目指して 社員の安全運転意識の向上や事故リスクの低減に取り組む企業を表彰 PR

特別企画、サービス