総務・人事担当者が知っておきたい五月病対策

コロナ禍の適応支援(3) コロナ禍におけるメンタルヘルスの状況と労働者の職場適応

さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2022年05月11日
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新入社員など大きな環境の変化を迎えた人が、ゴールデンウイーク明けくらいにメンタルダウンしてしまう、いわゆる「五月病」をはじめ、メンタルヘルス対策に悩んでいる総務・人事担当者の方も多いかと思います。さらに、コロナ禍でテレワークの機会が増えたことにより、労働者の状態が見えない中での対策が必要になってきています。ここでは、「コロナうつ」という言葉も生まれたこの状況での職場適応について説明します。

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コロナ禍初年の2020年、労働者のストレスはどう変化したのか

2015年から、従業員50人以上の事業場にてストレスチェックの実施が義務化されました。測定する内容として、労働者の感じる心理的な負荷(ストレッサー)、上司・同僚・家族への話しやすさや相談のしやすさ(サポート)、活力の低下や不安、抑うつ気分など(ストレス反応)の3つの領域が法により定められています。

2020年のストレスチェックでは、新型コロナウイルス感染症の流行による不安感やステイホームの閉塞へいそく感により、ストレスチェックの結果は悪化するのではと予想されましたが、ふたを開けてみると、前年度よりもむしろ良い結果が主流となりました。これは、リクルートワークス研究所の調査や、日本産業ストレス学会における某大手メーカーグループの発表、当時の筆者の所属先で受託した、大小さまざまな企業の結果により示されました。

当時、「コロナうつ」といった言葉がマスコミに取り上げられましたが、多くの労働者にとっては通勤の負担、業務量、職場の対人関係の煩わしさが減り、ワーク・ライフ・バランスが向上し、トータルでメリットの方が上回ったことによるものと推察されます。

実際のメンタルヘルス不調者の人数を把握することは難しいですが、一つの指標として、独立行政法人福祉医療機構の2021年発表の調査では、精神科病院の外来における2020年中の月別の収益はおおむね横ばいか、減少であったことが示されています。

受診を控えた傾向もあったとは思いますが、筆者が当時所属していたクリニックや交流のある精神科・心療内科のスタッフは、患者は減ったと口をそろえていました。既存の患者さんについても、在宅勤務になり負担が減って症状が良くなり、通院頻度が下がったという話も珍しくありませんでした。

2020年はそういったマクロな動きが見られた年でした。一方、個々の事情をミクロに見ていくと、また別の側面が現れます。筆者も実際に相談を複数受けましたが、まさに本稿のテーマでもある新たな環境への適応が求められている新入社員や部署異動などのニューカマーといえる労働者、子育てや介護を担う労働者にとっては厳しい環境でした。ここで、事例を2つ紹介しましょう。

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著者プロフィール

さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長
佐倉 健史

臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタント・メンタルヘルス法務主任者。精神科クリニック併設型外部EAP機関にて13年在籍後、現職。メンタルヘルス施策の立案、体制構築、ストレスチェックの結果活用のコンサルティング、社内でのカウンセリング、社内教育研修の企画・講師などを通し、多くの企業のメンタルヘルス課題解決の支援経験を持つ。

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