総務・人事担当者が知っておきたい五月病対策
従業員の自殺や、その危機に直面したときに求められる企業の対応
さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2022年05月11日
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新入社員など大きな環境の変化を迎えた人が、ゴールデンウイーク明けくらいにメンタルダウンしてしまう、いわゆる「五月病」をはじめ、メンタルヘルス対策に悩んでいる総務・人事担当者の方も多いかと思います。さらに、コロナ禍でテレワークの機会が増えたことにより、労働者の状態が見えない中での対策が必要になってきています。コロナ禍により日本の自殺者数がどのように推移しているかご存じでしょうか。シリーズの番外編として、いざというときの備えについてご紹介します。
コロナ禍における自殺者数の推移
1998年から14年にわたって国内の自殺者数が3万人を超えるという状態が続き、自殺対策基本法をはじめ行政や民間の取り組みが行われ、2003年のピーク以降は徐々に減少していました。ところが、コロナ禍を迎え、2021年は11年ぶりに自殺者数が増加に転じました。コロナ2年目に何が起こったのでしょうか。
男女別に見ると、男性は減少傾向が続いている一方で、女性は増加しています。月別に見てみましょう(図表1)。女性の自殺が2020年6月から明らかに増加していることがわかります。これを年代別に見ると、20歳代女性が1.35倍(+244人)と最も増加の割合が高く、次いで30歳代女性の1.26倍(+185人)でした。SNSの発言と自殺の時間別件数を掛け合わせた詳細な分析(※1)によると、この時期に相次いだ著名人の自殺報道が自殺行動に影響していることが示唆されています。おそらく、それだけが要因ではなく、経済的な状況の悪化や社会全体の閉塞感も影響していたのではと筆者は推測しています。
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