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従業員数800人の横河レンタ・リース株式会社には、20歳代から60歳代まで、まさに祖父母・親・孫に相当する世代の従業員が在籍している。そんな中、久しぶりの新人として人事総務部に配属されて半年を経た吉永千尋さんは、新しい感性で企業の活性化に貢献している。
取材・文◎武田 洋子
さまざまな仕事で経験を積む
吉永千尋さんは23歳。IT機器や計測器などをレンタルで提供する横河レンタ・リース株式会社に新卒で入社してすぐ、人事総務部に配属された。ほとんどの新人が営業やエンジニアからキャリアをスタートさせる中、労務系の部門に新卒が配属されるのは実に10年ぶりのことで、吉永さん自身も驚いたという。

人事総務部長
石井 慈典さん(左)
コーポレートマネジメント本部
人事総務部 人事課
吉永 千尋さん(右)
「人事が何をするのか、イメージも曖昧でした。でも仕事が始まると、自分に合っていると感じたんです」
吉永さんの趣味はクラシックバレエだ。フリースタイルで踊るよりきちんと型が決まっている方が好みであり、人事総務という基本的なルールが確立している業務への戸惑いはなかった。そもそも同社への入社を決めた大きなきっかけは、面接にある。
「さまざまな企業の面接を受ける中で、この会社は大学で勉強したこと、趣味など質問が幅広く、自分を多角的に見て評価してくれているという安心感がありました」(吉永さん)
現在は主に、社会保険や入退社の手続き、給与データチェック、福利厚生サービスといった業務を担当する。このほかに2つのプロジェクトのメンバーも務めており、1つはコロナ禍で下がってしまった有給休暇取得率を向上させる「有給休暇取得推進プロジェクト」、もう1つはアフターコロナを見据えたオフィスリニューアルプロジェクトだ。さらに、有志による社内コミュニケーション活性化イベントの幹事も兼任しているそうで、業務内容は多岐にわたる。これは、吉永さんを人事課に招いた立役者でもある上司の石井慈典さんが、いろいろな経験をしてほしいと願ってのことだ。

「人事総務の仕事は地味だと思われがちですが、従業員の人生の一部にかかわり、その幸せの実現を目指す重要なポジションです。部の一員として夢を持って仕事をしてほしいので、吉永さんにはさまざまな挑戦をしてもらおうと考えています」(石井さん)
従業員の年齢層は幅広く、育児や介護など個々の事情も多様だ。吉永さんは先輩の助けを借りながら従業員のデータを頭に入れ、一人ひとりに寄り添っていくことを目指している。
「プロジェクトについてはかなり自由に活動させてもらっています。オフィスプロジェクトでは、従業員アンケートの結果を反映しながら、より良く働ける環境を模索しています。一方で有休取得推進プロジェクトは趣味のカメラが生かされました」
プライベートで旅行したときに撮った写真をデザインした啓発ポスターが好評で、特にローカル電車の写真を使ったバージョンは、興味を持った従業員から話し掛けられるきっかけにもなったという。「有休を取ってこんな旅がしたい」と思わせる視覚効果のうまさには、石井さんも舌を巻く。
「がんばり屋で、アウトプットの完成度が高い。最近開催したウオーキングラリーのイベントも、100人が参加して大盛況でした」(石井さん)
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