スタートアップバックオフィス(法務)の始め方

投資回収をするならIPOか、それともM&Aか? スタートアップが知っておくべきエグジット戦略

弁護士法人堂島法律事務所 弁護士 柳 勝久
最終更新日:
2025年07月07日

スタートアップが、投資家から出資を受けて成長しても、それだけでは投資家や創業者が投資資金を回収することはできません。そのため、スタートアップにとって、出口戦略(エグジット)は極めて重要です。スタートアップのエグジットには大きく分けて、「(1)IPO」と「(2)M&A」がありますが、今回はこの2つに関して簡単に解説します。

スタートアップのエグジット(1)IPO

概要

IPO(Initial Public Offering/新規株式公開)とは、株式会社が、発行した株式を証券取引所において売買可能にすることをいいます。スタートアップの創業者や投資家は、保有するスタートアップ株式を、IPOを通じて売却することで、大きな利益を得ることができます。

スケジュール

IPOおよびその準備は、おおむね、以下のスケジュールで行うことになります(IPOに関しては、上場申請期を「N期」といい、そこからさかのぼって、「N-1期」「N-2期」ということが一般的です)。

  1. N-4期:株式上場の検討
  2. N-3期:監査法人によるショートレビュー、主幹事証券会社選定
  3. N-2期:内部管理体制・コーポレートガバナンスの整備、監査法人による監査、主幹事証券会社による上場準備指導・助言
  4. N-1期~N期:上場申請書類の作成、証券取引所の審査、上場

主な関係者

ア 主幹事証券会社

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プロフィール

弁護士法人堂島法律事務所 弁護士
柳 勝久

2008年弁護士登録。2012年から、財務省関東財務局において、地域金融機関や金融商品取引業者等の検査、監督業務や局内コンプライアンス業務等に従事。2015年以降、堂島法律事務所において、金融機関のコンプライアンスや投融資案件等に係る各種助言や体制構築支援、ファンドビジネスに係る各種サポート、いわゆるフィンテック事業者をはじめとするスタートアップ支援等を中心に、企業法務案件を幅広く取り扱っている。中小企業診断士、公認不正検査士。

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