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事業継続計画(BCP)の必要性とそのメリット

2013年04月30日

多くの方が、事業継続計画(BCP)は上場しているような大企業や大工場を持つような会社が作成するものであって、中小企業はさほど必要ないだろうと思われているのではないでしょうか。

大企業は数多くの従業員を統制しなくてはならない、などの理由から策定していることが多いのですが、 中小企業は少ない資本を守らなくてはならない分、早期の復旧や立て直しが必要となってきます。


■なぜ、事業継続計画(BCP)が必要なのか?

東日本大震災では多くの企業が倒産や事業の縮小などに追い込まれました。
また、直接の地震被害を受けていない会社でも、サプライチェーン(全工程までの会社間の役割分担や繋がり)の影響で倒産してしまった二次的被害も目立ちました。


※東日本大震災の倒産の原因 (2012年:帝国データバンク資料より)
地震による直接被害3割、間接的な被害7割

【間接的な倒産原因 】
 ・得意先が被災してしまったため
 ・親会社が倒産してしまったため
 ・仕入れ先が被災してしまったため
 ・自粛のあおり


上記のような倒産原因の多くは、自分たちが原因ではないのです。
あらかじめ事業継続計画(BCP)を策定していれば、倒産を免れた会社も多かったのではないでしょうか。資本が小さい脆弱な会社だからこそ、必要となる計画なのです。

特に地震については数百年振りに活動期に入ったと公言している研究者も多く、首都圏直下、東海・ 東南海地震に限らず、日本全国どこで大規模地震が発生してもおかしくない状況下といえるでしょう。

既にメーカー側からサプライヤー会社に対して事業継続計画(BCP)の策定を要求する動きやサプライヤー間でのリスク管理の意識が高まりつつあり、取引先やお客様からの要望で事業継続計画(BCP)が必須な時代になってきていると考えられます。

また、宮城県のある自動車教習所が訴えられました。 津波被害を充分回避できていたのにも関わらず、防災計画や防災マニュアルを整備せず、避難指示を怠ったという理由からです。
このことはお客様や取引先だけでなく、そこで働く従業員に対しても、事業者としての責務が重要になってきているのだと考えられます。

このことからも今後の社会的ニーズを踏まえると、事業継続計画(BCP)などの要求はこれから先、増えることはあっても減ることはないといえます。


■事業継続計画(BCP)を策定する上でのメリットとは?

従業員の生命や会社の資産を守ることはもちろんのこと、優先すべき業務を絞り込んだり、経営資源の弱点を抽出したりすることで、事業の見直しを行うことができます。

重要業務の早期復旧ができることで、市場や顧客の占有率軽減、企業評価の低下を防ぐことができます。
また、下記のような効用もあります。


 ・業務の重要度と優先度がみえてきます
 ・会社の強みと弱みが明確にみえてきます
 ・取引先からの信頼性向上
 ・営業戦略上の企業イメージの向上
 ・従業員の自主性の向上


次回は「事業継続計画(BCP)と防災計画の違い」をお伝えします。

松島 康生
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