コラム

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社員と組織を生かす総務の技
【その1】総務は誰のため?ミッションを知る

2018年02月09日

 こんにちは、組織改革コンサルタントの小松路世です。
 私は会社員時代、総務をはじめ、契約購買・広報・経営企画・組織開発など、さまざまな部門の業務の経験をし、今は企業向けに社員を強く元気にするためのコンサルティングをしています。

 本稿では、今日から総務と現場が信頼関係を築き、全員が元気になる「社員と組織を生かす総務の技」をシリーズでお届けしていきます。

■イケている総務とは

 いろんな企業を見てきましたが、企業の良し悪しは、会社の顔である総務が"イケている"かどうかでだいたいわかります。

 "イケている"をざっくりいうと、「元気がある・覇気がある」「対応がさわやかで早い」「自分たちのミッションを認識している」「いつも現場社員や幹部の顔色をうかがっていない(自信がある)」などという特徴が挙げられます。

 しかし、会社にとってなくてはならない存在である総務が、社員からの苦情や雑用(決して雑用ではないんですが)で疲弊しきっている姿が、あまりに多くの会社で見受けられます。

■とりあえず総務の風潮

 総務というと、本当に幅広い業務を取り扱っています。他部署でルーティン業務以外の問題が発生したら「とりあえず総務」となりますよね。社内だけではなく、社外からの入り口である代表電話だって総務の番号です。そのため、どの部署が対応すべきかわからない「職務分掌が明確でないもの」に対し、社員一丸となって「これはとりあえず総務でしょう」となるわけです。

 また、企業のみなさんは、よく、経営企画、広報、人事などの仕事の押し付け合いをしています。そして管理職同士の話し合いで一応は抵抗をがんばる......ものの、結局は総務が引き取ることになり、実務をやることになる部下は「またぁ?」となるわけです。

 このやらされ感満載な職場では、仕事のモチベーションや生産性はもちろん上がらず、「いつも雑用を引き受けさせられる・どうせ俺たちなんて......」という思考に陥り、どんどん覇気のない弱い組織になってしまいます。

■総務の担当する業務

 よく仕事の押し付け合いをしている経営企画や広報、人事の業務は以下のような感じではないかと思います。

【経営企画】経営マネジメント・戦略策定・管理
【広報】社外広報(ホームページ・ニュースリリースなど)/社内広報(社内報など)
【人事】人事評価・異動・労務管理/社員能力開発/採用
 
 対して、総務は財務や社内IT部門などを除く「その他ほとんどすべて」を担当していると思います。それに多くの会社は広報担当がなく、広報の機能を総務か経営企画で担っています。

 私は同じ会社で上記3部署を経験しましたが、会社に組織として広報がない頃、必要に迫られ総務部が社内報を作ることになりました。このときも広報を新設するより先に「とりあえず総務」の私が社内報を取り仕切ることになりました。こういうことは、総務によくありますよね。

■ソムリエ・コンシェルジュになることがミッション

 では、総務は誰のため、何のために働けばいいのでしょうか?

 総務にとって大事なのは、「現場社員が気持ちよく働ける土台を整え」「そこに向かって自分たちも気持ちよく働く」という意識だと思います。社員や幹部が困ったときに何でも相談できるソムリエ・コンシェルジュのようなイメージです。

 同じ仕事内容でもそうした意識のメンバーが集まっている総務と、嫌々やっている人が集まっているのとでは、印象や結果が全く違いますよね。会社の顔であるはずの総務に元気がないと、初めて訪問した取引先などは「ヤバいなこの会社」と思いますし、現場社員からのリスペクトは得られない=いつまでたっても「どうせ俺たちは」思考から抜け出せません。総務と現場はお互い信頼し、対等であるべきで、誇りを持ってそれぞれの仕事をすべきなのです。

■ピンチはチャンス!自分のために働く

 たまには、どの部署で引き受けるべきか判断に悩むグレーな仕事や、突如発生したトラブルを、率先して引き受け、その業務を楽しむことも大事です。仕事も同じルーティンばかりではつまらないし、スキルも上がらないと思いませんか? いろいろと面倒な対応を引き受けることによってスキルも上がりますし、現場からの信頼も厚くなります。新しいことをするとき・協力がほしいときに「総務の○○さんがいうのだったら」という風になれば、仕事がどんどんやりやすく、楽しくなります。

 それにスピード重視・効率化・AI化が加速する中、ルーティンしかできない人は近いうちにロボットに仕事を奪われるでしょう。そのため、自分の身を守るためにも生産性を上げ、スキルアップすることが重要です。こうした背景やミッション・自分たちの役割を、リーダーがメンバーに伝え浸透させる、ここからがスタートだと思います。

 次回は、「どうやったら"頼れる総務"に変革できるのか?情報キャッチ力のポイント」をお届けします。

小松 路世
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