社内規定管理:特定最低賃金

最終更新日:2025年09月01日

特定最低賃金とは、特定の産業(業種)に従事する労働者に対して適用される最低賃金である。地域別最低賃金よりも高い水準で設定されることが多く、専門性の高い職種や業界における労働条件の維持・向上を目的としている。

関係労使の申し出に基づき、地方最低賃金審議会による調査・審議を経て、地域別最低賃金を上回る水準の設定が必要と認められた産業に対して設定される。最終的な決定は、都道府県労働局長が行う。

地域別最低賃金との違い

最低賃金制度には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類が存在する。それぞれ適用範囲や設定目的が異なる。

地域別最低賃金

地域別最低賃金とは、都道府県ごとに定められる最低限の賃金水準である。業種や職種を問わず、パートタイムやアルバイトを含むすべての労働者とその使用者に適用される。

中央最低賃金審議会および地方最低賃金審議会の審議を経て、都道府県労働局長が決定する。

特定最低賃金

特定最低賃金とは、特定の産業における労働者を対象に設定される最低賃金である。地域別最低賃金よりも高い水準で設定されることが多く、産業ごとの実態や経済状況を踏まえたうえで、関係労使の合意を基に設定される。

設定にあたっては、地方最低賃金審議会が審議を行い、都道府県労働局長が最終的に決定する。

適用関係

地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、金額の高い方が適用される。したがって、特定最低賃金が地域別最低賃金を上回っている場合には、当該産業の労働者には特定最低賃金が適用される。

現在の設定状況(2025年3月末時点)

2025年3月末現在における、全国および各都道府県での特定最低賃金の設定状況は以下のとおりである。

  • 設定件数:224件
  • 適用使用者数:約9万人
  • 適用労働者数:約296万人

参考:厚生労働省ホームページ

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