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ここがポイント ―中小企業の採用戦略
第15回:面接での留意点(4)

2013年11月28日

■面接の雰囲気作りは大事な気配り

 最近は面接の雰囲気づくりに気を配る会社が増えました。できるだけ本音を引き出そうとの意図で、リラックスしたフレンドリーな雰囲気で面接を行う会社も多いように思います。年齢や境遇が似た人を面接官にしたり、話題や言葉づかいを気にしたりします。

 面接場所の雰囲気もあります。物理的に検討の余地がない会社もあるでしょうが、会議室でなく応接室を使う、花や観葉植物を飾るなど、みなさんいろいろな工夫をしています。

 面接にはほとんどの応募者が高い緊張状態で臨みます。その場所の空気感や面接官の態度によって、それが増すことも緩むこともあります。相手からどんな話を聞きたいのかによって、それにふさわしい雰囲気というものがあります。面接の雰囲気作りは大切なことです。


■フレンドリーな面接なら本音が出るのか?

 よほど特殊な目的の面接でない限り、多くの面接官の方は、応募者にできるだけフレンドリーな接し方をして、緊張を解きほぐそうと努めているのではないかと思います。このような気づかいはとても良いことですし、しっかり話を聞き出すためにも必要なことです。

 ただし気をつけなければならないのは、フレンドリーに接してリラックスムードを演出しても、必ずしも本音を引き出せるわけではないということです。中にはさらに身構えて本音を見せまいとする人もいます。

 私が以前経験したことですが、見るからに緊張度の高い応募者がいらっしゃって、こちらはリラックスさせようといろいろな接し方をしたのですが、どんな接し方をしても緊張状態は変わらず、結果ギリギリの判断で次の面接に進んでもらったということがありました。

 次はさらに緊張する雰囲気の役員との面接...。どうなることかと心配して見ていたら、信じられないほどの落ち着いた雰囲気で、的確な対応をしていました。後で聞くと、緊張が高い方が逆に開き直って落ち着けるのだそうで、「なるほど、そんなものか!」と感心したことがあります。

 さらに別の例ですが、大きなサークルのリーダーをされていて、大勢の人前で話す経験も豊富な人だったので、人と話すことは慣れているだろうとの先入観でいたところ、お会いすると緊張感でうまく話せないほどの様子。聞くと大人数は人の顔が見えないから何百人いても平気だが、人の顔を見ながら話すのはすごく緊張するとのことで、そんな感じ方もあるのかと印象に残っています。

 緊張するツボは人によっていろいろで、リラックスさせようとしても必ずしも思い通りにはならないということは、理解しておくと良いと思います。


■一辺倒ではない雰囲気作りを

 このように、応募者の本音を引き出すということでは、一辺倒のアプローチでなく、いろいろな雰囲気を用意することが必要です。

 面接場所(会議室or応接室、社内or社外など)、会場の雰囲気(面接官との距離、テーブルの有無や配置)、面接官の顔ぶれや人数(一般社員or偉い人、一人or複数など)、そのほかいろいろな形で場の雰囲気を変え、その反応を見ることが必要です。

 いろいろな場面設定を工夫して、その中での応募者の様子を観察すると、意外な発見や出会いがあるかもしれません。

 簡単なようで意外に難しい「採用面接」。今回挙げたこと以外にも、ノウハウと言われることはたくさんあります。いろいろなことを意識しながら、Win-Winの良い面接を実施していただければと思います。


 次回は、内定出しを行う場面での注意点や意識について、お伝えしようと思います。

小笠原 隆夫
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