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ここがポイント ―中小企業の採用戦略
第21回:内定者フォローの進め方(4)

2014年02月27日

■どんな入社準備をさせるのか

 前回は、内定者フォローでは適切な目標設定をすることが大切であるとご説明しました。これさえしっかりできれば、実施する内容として考えられるものは、概ね決まっています。
 バリエーションとしては、以下のようなものになるでしょう。

◆入社前研修
内容:業務スキル、業界や会社の事業に関する基礎知識、社会人マナーや心構え など
方法:集合形式、通信教育、Eラーニング など
実施頻度:月1回程度、入社日前に集中 など

◆人間関係づくり
内容:内定者同士、役員など上層部、既存社員 その他関係者との交流 など
方法:懇親会、レクレーション、社内行事へのゲスト参加 メール交換や電話、
   SNSの活用、その他イベント企画 など
実施頻度:月一回程度、その他適宜実施 など

 これらの取り組みは、一つの目的に対して一つの取り組みということではなく、例えば集合研修を実施すれば、それ自体が関係作りの場にもなります。さらに交流の場が必要ならば、懇親会などをセットしても良いでしょうし、その優先度が低いならば、無理に実施する必要はありません。

 これらを、目的に応じた組み合わせや予算に応じて実施していくということになるでしょう。


■その企業なりのやり方を工夫する

 特に中小企業の場合は、内定者フォローに特別な手間や費用をかけることは難しいと思います。そんな環境であっても、工夫次第でできることはたくさんあります。

 例えば、会社の定例行事や既存イベントなどがあれば、それにうまく組み込むと、比較的実施しやすいと思います。月次の定例会や研修、その他会社行事に内定者も参加してもらい、そこにちょっとした講話や研修をプラスすれば学ぶこともでき、既存社員との親交も深められたと、内定者の満足度も高まります。

 また、最近はSNSを活用する会社も多くなっています。メールのように1対1ではなく、多くの関係者を取り込んだコミュニティとして、内定者が会社と常に繋がっている感覚を持てるという良さがありますが、SNSを使うことの得手不得手や慣れの問題、ITリテラシーの個人差が出てしまうといったデメリットもあります。せっかく立ち上げたのに、ごく一部の人と人事担当者以外は義務的に参加しているだけ、などということになりかねません。SNSを効果的に運用するには、多くの人が自主的に参加したくなるような情報提供、場の雰囲気づくりなどの工夫が必要だろうと思います。

 また、やりとりが密になると、運用が意外に大変という面もあります。SNSを単にコミュニケーションの手間が省ける便利ツールと思っていると、たぶん痛い目を見ます。そんなことも頭に入れた上で、取り組んでみると良いと思います。

 いずれにしても、何か大々的に研修をしたりイベントを企画したりしなくても、他の方法で目的が達せられることはたくさん考えられます。一般的なやり方にとらわれなくても、相応の効果が得られる方法であれば、それで十分でしょう。 

 自社なりにできることを工夫していくことが大切だろうと思います。


 次回からは、中小企業での採用活動についてのまとめをしていきたいと思います。

小笠原 隆夫
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