「人材」を「人財」に変えるためのリーダー養成講座 京セラコミュニケーションシステム株式会社 人財育成支援事業部 事業部長 竹松 健治さん

Vol.04 「ルーティーン」の原点

2016年8月 8日 10:00更新

研修が終わった後、多くの人が「意識が変わりました」と感想を述べます。しかし、結局何も変わっていないということがほとんどなのではないでしょうか。

 

 

研修で知識を増やしたり、いい刺激を受けたりすることはできますが、それを自分に置き換えて行動に移している人は非常にまれです。また、研修で刺激を受け、研修後にそれを行動に生かしても、それが長続きしない、三日坊主の人も少なくありません。「百聞は一見にしかず、百見は一考にしかず、百考は百行にしかず、百行は一果にしかず」という“ことわざ”のように、いくら素晴らしい考え方を学んでも、それを行動に生かし、習慣として身につけなければ、成長できないのです。

 

 

習慣の原点は

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最近では、「ルーティーン」という言葉で、成功するための習慣化された行動を表現することが多くなっていますが、京セラには整理整頓こそ、習慣の原点だという教えがあります。身の周りの整理整頓の習慣こそ、仕事の効率を上げ、限られた時間の中で最大の成果を上げ続ける秘訣だからです。さらに、そこにはレベルがあります。どこまでこだわって整理整頓をするかが重要なのです。

 

 

京セラの稲盛名誉会長は、XY軸を直角にし、何事も完璧を期すことが大切であると説いています。少しでも歪んでいれば、気持ち悪いと感じるぐらいの感性が必要だということです。しかし、人は自分の尺度で整理整頓しがちです。だからこそ、日ごろからどのような基準をもって部下を指導していくかが大事になってきます。細かく・うるさく・しつこく、その場その場で指導し続けてこそ、整理整頓のレベルを上げ、いい習慣として身につけていくことができるのではないでしょうか。

 

 

一方で、「言われないとできない」というレベルでは“まだまだ”。「わかるまで言い続ける」と言われることがありますが、「できるまで言い続ける」から「言われなくともできるようになる」というところまで、しっかりと根気強く指導し続けることが肝心です。これでよしと思った瞬間、人間はそれ以上の努力をやめてしまうもの。言い換えれば、人間は目標以上の努力をしないということです。また、目標を実行する習慣を身につけなければ、三日坊主になってしまいます。

 

 

いい習慣を身につける環境づくり

自ら熱意を持って、磨き上げていく「自燃性」の人は、残念ながらなかなかいません。しかし、誰かの影響を受けて考え方を身につけ、周りの熱意に感化されて燃え、能力を磨き上げていくという、「可燃性」の人は多く存在します。また、「不燃性」に見えても、働く環境や条件次第で変化できる、「“隠れ”可燃性」の人もいます。いい習慣を身につける環境をつくることは、各々が何を目指すかを明確にすること、そしてその達成のためにどうするかを考え続け、行動の変化を起こすところからスタートします。

 

 

私どもは研修で、気づきを得ていただくためのきっかけを提供しているにすぎません。それを活用して成果に結びつけていただくためにも、受講後の決意と覚悟を問うことが重要だと考えています。研修で有言実行を促し、周りもそれを支えていく、そんな関係を築くことも、個々の成長には大切なのだと思います。



「人材」を「人財」に変えるポイント

  • 整理整頓の徹底で習慣化を身につける
  • 上司は部下に対し「できるまで言い続ける」から「言われなくともできるようになる」まで指導し続ける
  • 何を目指すかを明確にすること、その達成のためにどうするかを考え続けること、行動の変化を起こすことから、いい習慣を身につける環境づくりはスタートする