総務のマニュアル施行前に知っておきたい、フリーランス保護新法対応のポイント

11月1日に施行予定のフリーランス新法、遵守すべきルールは大きく2つある! 適用対象者は誰?

プロアクト法律事務所 弁護士 徳山 佳祐
最終更新日:
2024年07月05日
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2023年4月28日、第211回通常国会において、フリーランスの保護を目的とした「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法/フリーランス新法/以下、本法)が成立し、同年5月12日に公布されました。本企画では、2024年11月1日に施行される本法の制定の背景や下請法との違い、そして対応ポイントなどを3回に分けて解説します。

フリーランス新法の制定が必要となった背景と経緯

近時、働き方が多様化し、組織に属さず個人として活動するフリーランスが増加しています。その増加に伴って、経済の担い手としての位置付けが強まっていますが、他方で、組織として事業を行う発注事業者との関係において、交渉力などに格差が生じやすいことに起因する契約上のトラブルや、取引先からのパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントの被害といった課題も見られました。

契約上のトラブルは、会社であれば独占禁止法※や下請法が適用されることで是正がはかられ、また、ハラスメントの問題は、労働者であれば労働施策総合推進法などの適用によって、被害の防止に向けた措置が講じられることになります。しかし、フリーランスに対する適用関係が明確ではなく、法制度の間隙にあったといえます。そこで、フリーランスの就業・活動環境を適正化するための法整備が必要となったのです。

※ ただし、独占禁止法の適用対象は「事業者」であり、必ずしも会社に限られるものではない。

このような課題に鑑み、フリーランスと取引を行う事業者が遵守すべき最低限のルールを定め、フリーランスに係る取引の適正化などをはかることを目的として、本法が制定されました。11月1日の施行に向けて、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令」「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」などが制定・策定されています。

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著者プロフィール

k-tokuyama

プロアクト法律事務所 弁護士
徳山 佳祐

ISO30414リードコンサルタント/アセッサー、公認不正検査士。2006年関西大学卒業、2008年明治大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録。弁護士登録とともに明治安田生命保険相互会社に入社し、法務部および人事部で企業内弁護士として勤務。2021年プロアクト法律事務所入所。人事部を含む企業での実務経験を踏まえて、企業のリスクマネジメント・コンプライアンス、人や職場に関するHR分野、人的資本経営/開示などに取り組む。日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会事務局次長、第一東京弁護士会労働法制委員会委員。

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