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経営理念として「事業活動を通じての社会への貢献」と「全従業員の物心両面の幸福の追求」を掲げるブックオフグループは、かねてより障がい者雇用に力を入れてきた。2021年3月の株式会社ミンナのシゴトら3社との業務提携により、障がい者の就労機会の拡大と、店舗の業務効率、生産性向上に取り組んでいる。
取材・文◎宮本優子
ブックオフグループの取り組み

代表取締役社長 兼 ブックオフグループホールディングス株式会社 総務部長
永谷佳史さん
ブックオフグループの障がい者雇用を担う特例子会社として、ビーアシスト株式会社が設立されたのは2010年10月。同社の代表取締役社長である永谷佳史さんは、ブックオフグループホールディングス株式会社の総務部長を兼務して11年目を迎えたが、入社は31年前にオープンした神奈川県相模原の「ブックオフ直営一号店」の、開店準備のアルバイト職からだったという。
「創業社長の坂本孝とともに、会社を大きくしてきたという思いがあります。ブックオフに育ててもらったといっても過言ではありません。ビーアシストの社長に就任し、同じようにスタッフのみなさんに成長を実感していただきたいし、一緒に会社を作っていきたいと思っています」
ビーアシストが設立される前のブックオフグループの障がい者雇用は、急激に従業員が増えていたこともあり、法定雇用率の達成が難しい状況だった。また、店舗ごとに配属していたため店長の負担も大きく、一人ひとりの個性に合った育成まで手が回らない面もあり、特例子会社の設立に踏み切った。現在は、横浜市瀬谷、川崎、町田、東千葉、大宮の事業所で、障がい者105人が勤務している(ブックオフグループ全体では142人)。

「5事業所では、障害者手帳を持って一緒に働く仲間を『パートナースタッフ』と呼んでいます。すべてのパートナースタッフは長く働いてもらうことを前提に、期間の定めのない形で雇用しており、離職率は非常に低いです」
パートナースタッフのサポート体制とキャリア
同社のパートナースタッフの約9割は、知的障がいのある人だ。ブックオフ店舗での業務フローの「買取」「クリーニング・加工(ラベル貼り等)」「陳列」「販売」の4つの作業工程の中で、主に「クリーニング・加工(ラベル貼り等)」と「陳列」の業務を担当している。パートナースタッフに伴走するのは、サポートスタッフと呼ばれる指導員。所長とともに運営チームとして、パートナースタッフが安心して働き続けるために、定着にかかわるさまざまなサポートを行っている。
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