新総務考

新総務考【その2】コア業務とノンコア業務

一般社団法人日本ライフシフト協会  理事、岡田経営戦略研究所 幸福価値創造コンサルタント 代表ソーシャル・プロデューサー、FOSC 副代表理事 岡田 大士郎
最終更新日:
2016年05月09日

総務はノンコア?

マネジメント指南書や経営コンサルタントの多くは、組織の定義を本業分野である「コア・コンピュタンス業務(コア)」、そして支援業務分野である「ノン・コアコンピュタンス業務(ノンコア)」という分類を行い、企業経営の要諦は「コア・コンピュタンス」業務への集中を強調します。 企業内の見方で表現すれば、

・売上貢献している「プロフィットセンター」=コア業務

・売上貢献がなく(ないとされていて)、経費を使う「コストセンター」=ノンコア業務

といった分類がされています。

総務FM部門を始めとした「管理部門」の業務の多くは「ノンコア業務」のカテゴリーに定義され、あたかも収益貢献をしていない「コストセンター」的な扱いを受けています。

企業活動を円滑に行うには、ルーティーン仕事や機械的な処理業務などの領域を含めた「基盤」業務をしっかり構築しておく事が不可欠ですが、これらの業務自体は直接的な利益を生まない「コスト」。つまり、利益を創出する為の費用→経費として認識されています。 この点は論を待たないところですが、このような業務を担う部門そのものが「コスト」と見なされてしまう誤解が、「コストセンター」なる概念と呼称を一般化せしめている原因となっています。

経営者の中には自社のコア・コンピュタンスを、収益部門だけに目を向けて、「フロント部門こそが全ての利益を生み出す『プロフィットセンター』である」という思い違いをしている場合がかなりあるのではないかと感じています。

フロント部門が利益を生みだしてゆくためには、収益創造の根源にある社員個々の「知」や行動力、創造力、革新力を会社力に変えてゆく触媒機能を果たす部門にも目を向け、その力や業務もコア・コンピュタンスとして考えていくべきではないでしょうか。 収益貢献機能を果たす支援部門の本質的価値を理解することが重要だと思います。

私は、こうした観点から総務FM業務は「準コア業務」と考えています。 総務業務は範囲が広く、多岐にわたる企業活動の基盤仕事を抱えており、ルーティーン仕事も多々あります。それゆえ、「総務はノンコア」と言い切る事にはいささか違和感を感じますし、総務業務の本質を理解してもらう必要がある、と強く思っています。

言わずもがなですが、「経営」はコア中のコア業務(業務という表現はあまり適切ではありませんが......)です。 経営の本質は、最適な事業ポートフォリオを構築して、変化に柔軟な企業体質を創り上げることであり、それを実現させるには、組織活力を向上してコア業務領域の生産性ならびに収益力を高めていくことが重要です。

「組織活力の向上」なるスローガンはよく目にしますが、誰がどのようにして実践していくかは極めて曖昧です。私は、この領域こそ総務部門が果たす戦略機能の一つであり、正にコア中のコア業務だと思っています。

具体的な話は次回以降に述べていきますが、総務はコア業務をも担う側面があることから「準コア」と定義したいと思います。

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著者プロフィール

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一般社団法人日本ライフシフト協会  理事、岡田経営戦略研究所 幸福価値創造コンサルタント 代表ソーシャル・プロデューサー、FOSC 副代表理事
岡田 大士郎

プロフィール
日本興業銀行(現・みずほ銀行)において、ストラクチャードファイナンスなどの投資銀行業務や海外業務(ロンドンに勤務)、ならびに国際税務業務を20年にわたり経験後、ドイツ銀行グループでDirector, Head of Taxesとして国際税務統括の業務に従事。2005年にスクウェア・エニックスに入社し、2007年まで米国Square Enix, Incの社長(COO)として米国事業に携わった後、2007年に本社に帰任。「組織風土並びに働き方改革」をミッションとして総務部長に就任。
その後、ミッションであるクリエイティブワークプレイスの構築を進め、2012年に本社スタジオの全面移転や2015年には大阪事業所の移転プロジェクトに関与。クリエイティブワークプレースダイナミクスの実践と、コンテンツ制作業務における価値創造支援を行う「場」作りに取り組んでいる。2018年同社定年退職。
2018年に一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC)副代表理事に就任。同年、一般社団法人日本ライフシフト協会理事就任。同年、岡田経営戦略研究所を立ち上げ幸福価値創造コンサルタント 代表ソーシャル・プロデューサーに就任。現在に至る。

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