中小企業向けの「賃上げ促進税制」とは、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度のことです。本制度は、2022年度税制改正で、「所得拡大促進税制」が「賃上げ促進税制」へと引き継がれたもので、さらに2024年度税制改正において、より一層強化されています。今回は、改正後の賃上げ促進税制のポイントについて解説していきます。
適用対象となる中小企業は
賃上げ促進税制の適用対象となる中小企業は、以下の要件を満たす企業です。
資本金の額または出資金の額(以下「資本金等の額」という)・従業員数
資本金等の額、従業員数の要件は以下の通りです。
(1)資本金等の額が1億円以下の法人
(2)資本又は出資を有しない法人の内常時使用する従業員数が1000人以下の法人
なお、資本金等の額が1億円以下でも、以下に該当すると本制度の対象とはなりません。
〈1〉同一の大規模法人(※1)から2分の1以上の出資を受ける法人
〈2〉2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人
〈3〉前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人
※1 資本金等の額が1億円超の法人、資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1000人超の法人又は大法人(資本金等の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除く。賃上げ促進税制の適用となる事業年度が終了する時点で要件を満たしていない場合、対象法人と認められない。
適用要件と税額控除額
賃上げ促進税制を利用するための適用要件とその税額控除額は以下の通りです。
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