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社員と組織を生かす総務の技【その6】集めた情報をどう生かすか?(2)現場社員の巻き込み方

2018年08月09日

 シリーズでお届けしている「社員と組織を生かす総務の技」、今回はルーティン以外の仕事の進め方、たとえば総務担当全体、自分自身が新たな施策に取り組むとき、誰かに仕事等を依頼する際のコツをお届けします。

■よくある失敗パターン

 ルーティン以外の全社的な施策に取り組むときは、たいてい会議や社内稟議(りんぎ)で会社幹部の承認を得る必要があるはずです。承認後は現場に周知、依頼をし、実施していくわけですが、その際、稟議が通らない、通ってもうまく進まないといったよくある失敗には、一定のパターンがあります。私が総務に従事していた頃、同僚に次のようなセリフをいわれました。

【会議・稟議で(幹部から)】
・何のために(誰のために)やるのか。やって何になるのか。なぜ今なのか。
・これで本当に課題解決になるの?

【現場から】
・なぜ事前に相談してくれなかったの? 全部決まったあとにいわれても、今さら変えようがないでしょう。
・あのときのアレはどうなったの?いつもやらされっぱなしで、どうなったか知らされないままだし、忙しい今は協力したくありません。

 お気付きかもしれませんが、幹部側のNGの多くは「目的と結果、やり方」についてであり、現場は「仕事の進め方」についてのNGがほとんどです。そして仕事の進め方は信頼関係に直結するので、一度ひっかかると「また総務が」「また無駄なことを」と、ほかのうまくいっている施策にも影響が出やすくなります。

 意外なことに、実施にあたってのコストが高すぎるからダメ、といわれたことはほとんどありません。もちろん、相見積を取ったり価格折衝したりして、なるべくコストを抑えた上で稟議にかけるのですが、幹部も現場も「どうせやるなら安かろう悪かろうでなく、多少高くてもやる意味がある=確実に効果が上がるのであればOK」と考えているのです。

■順番を変えてみる

 上記のような失敗パターンにしないためには、「事前に幹部の承認を得て」 →「現場へ周知」というこれまでの順番から、「事前に現場へ相談し、意見を吸い上げ」→「幹部へ説明」という順番に変えてみましょう。最初から現場を巻き込んでしまうのです。

 第2回目のコラムで、総務の一番のお客さまは「現場社員」であること、そして経営側も総務にそうした意識を持ち動くことを期待している、とお伝えしました。繰り返しますが、総務が根回しするのは「幹部」でなく「現場社員」であり、幹部も「現場社員が困っているならすぐにやるべき」と後押ししてくれるはずです。

・日頃から現場のキーマンにさらっとヒアリングして本音を聞き出す
・またキーマン以外にも、もっと本音をいい合える関係の仲間をあちこちに作っておき、非公式に聞いてみる
・特に重要な施策は意見が偏らないよう、全社員にアンケートを取る

 こうした、いろんな人の意見をリサーチ・集約して作った施策はまさに「現場社員のためのもの」になり、スタート前も後も、とてもスムーズに業務が行うことができ、また効果も出やすくなります。

 以上を踏まえ、抵抗されそう・反対されそうな大きな仕事ほど、最初から現場を巻き込んでしまいましょう。100%現場の意見を反映できなくても、「意見を吸い上げてくれた」「頼ってくれた」と、今までと変わったことを感じ取ってくれるはずです。

 次回は、失敗パターン(番外編)と、実際の巻き込みステップをお届けします。

小松 路世
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