コラム

健康管理 / 健康管理 / においマネジメント

においマネジメント【その6】平安貴族 藤原道長もにおいマネジメント

2019年09月30日

 先日の十五夜は、満月がとてもきれいでしたね。日本には昔から満月を愛でる習慣があります。元々は平安時代の貴族が、中国伝来の月見の風習を取り入れたのが始まりといわれ、当時は月見の宴を開いて和歌を詠むという、たいへん優雅なものでした。あまりにも有名なものは「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」という、藤原道長の句。みなさんも学ばれたのではないでしょうか。

■平安時代のにおいマネジメント

 さて、平安時代。においマネジメントはどのようなものだったのでしょう。当時の貴族官僚は、朝早く起きて出仕し、昼頃には退出するという生活スタイルでした。午後は、和歌、雅楽などを嗜み、小弓(こゆみ)、蹴鞠(けまり)等貴族同士の交際、接待などでプライベートを充実させていました。

 特に香りは、彼らの日々の生活に欠かすことのできない大切な要素であり、女性にアプローチするときは、一大事。高貴な女性は御簾(みす)の中にいるので、顔を見ることも見せることもできません。そこで、衣装のセンス、香りのセンス、そして和歌をしたためる教養のセンスも問われたりしたのですから、当時の男性は大変です。

 彼らは香原料を自ら調合し、自分だけの香りを作っていました。鉄臼などで丁寧に粉末にした沈香(アガーウッド)、丁字香(クローブ)、薫陸香(乳香・フランキンセンス)、貝香、白檀香(サンダルウッド)、麝香(ムスク)などの材料をふるいにかけて調合し、甘葛や梅肉などを加えて練り合わせ、丸薬状に成型して器に入れ、地中に埋めて熟成。それらを衣裳にたき込め、においマネジメントをしていました。姿を見ずともその香りで誰かと識別できたようです。

■人との距離が近い現代

 現代は、平安時代と異なり、お風呂などで体を清潔に保つことも、洗剤で衣類を洗濯することも簡単にできますが、通勤電車、会社の中でのエレベーター、エスカレーター、オフィスの中等、ワークスタイルの中で他人との距離は、昔と比べることもできないほど近くなっています。

 さらにオフィスでは、初対面の人と会う機会も多いでしょう。においと印象に関する調査では、「初対面の印象をダウンさせる要因になりやすいと思うものは?」という質問に対し、「不快なにおいがする」がもっとも多い回答でした。

nioi6.png

 ですから、においマネジメントで好印象を与えて、その後のコミュニケーションを円滑にしたいものです。

■さりげない香りでデオドラント&防虫

 好印象を与えるにあたり、平安貴族の習慣を応用して、タンスやクローゼットの中に香りを忍ばせてみるのもいいでしょう。匂い袋・香袋は、山田松香木店などをはじめとする、さまざまお香屋さんでも売られています。防虫効果のある匂い袋なら、デオドラントだけでなく防虫もできるので、お香が好きという方にはお薦めです。

 すっきりしたほのかな香りを手軽に楽しみたい方には、手作りもお薦めです。材料は、インターネットやホームセンターで簡単に手に入ります。

【材料】
●ウッドチップ
 木材を細かくチップ状に砕いたもので、ヒバや杉、ヒノキ、クスノキなどいろいろな種類があり、100〜300円/kgほどで販売されています。
●ヒバやヒノキの精油
 水蒸気蒸留法で木材のエッセンスを抽出したものです。5ml(100滴分)1000円前後で販売されています。
●お茶パック

【作り方】
 ウッドチップ10gに精油を5滴ほど滴下して、お茶パックにくるみます。

 でき上がったものをクローゼットやドロワー(引き出し)に入れます。ウッドチップにも防虫効果がありますが、精油を加えることでさらにしっかりとした香りがつきます。衣類に直接香りを吹きかけるわけではないため、着用時も気にせずに使用できます。

 香とデオドラントをうまく組み合わせ、自分の価値観を高めていた平安貴族。現代の私たちも。においマネジメントで自身の価値観をさらに高めてみませんか。

青木 恵
​​MENU