コラム

人事 / 人材育成 / 中小企業の採用

ここがポイント ―中小企業の採用戦略
第16回:内定出しについて(1)

2013年12月12日

今回からは、内定出しについての解説をしたいと思います。


■内定出しにも気配りが必要

 採用活動を通じて、ようやく「採用しよう」と思う人にたどり着けば、いよいよ内定出しとなります。これを機に、今度はこちらの投げたボールを、相手(内定者)が投げ返してくれるのを待つということになります。

 せっかく出会った人材を、何とか採用にまでこぎつけたいと考えるのが当然の心情ですが、ここで良いコントロールのボールを丁寧に投げなければ、ボールはこちらが思ったようには返ってきません。内定辞退となっては、また一からやり直しになってしまいます。

 これをできるだけ避けるために、内定出しの時には、そのやり取りの中でのさまざまな気配りが 必要です。相手の様子をしっかり観察し、敏感に反応するという心構えを持っていただく必要があるでしょう。


■内定出しの態度や姿勢

 これまで繰り返しお伝えしていることですが、採用活動においては、会社と応募者がイーブンな関係を保つことが重要です。しかし、「応募者」が「内定者」になることで、この関係性も変わってしまうことがあります。やはり選択の主導権が「会社」から「内定者」に移るということがあるからでしょう。

 中小企業の場合によくあるのは、「どうしてもこの人に来てほしい」と惚れ込んで、プッシュやアプローチを強めたり、「要望は何でも聞きます」とばかりに、へりくだってしまうようなことです。逆に採用基準ギリギリの場合、「仕方ないから入れてやる」というような、横柄な態度を見せる人もいます。

 これほど極端ではなくても、一人一人の仕事の持ち分が大きい中小企業では、一人の人材で一喜一憂するところがあります。どこかで態度に出てしまっていると思っていた方が賢明かもしれません。

 入社を強く望まれていることを、熱意を持って伝えられて、悪い気がする人はいません。これについては本心を一生懸命伝えているということなので良いのですが、入社してほしいあまりに、条件取り引きのようなことをしようとする場合があります。これについては、無理して相手に合わせようとすることですから、後々のことを考えればお勧めできない行為です。会社側が下手に出過ぎて良いことはありません。

 また内定者の方からいろいろな条件を出してくるようなことがありますが、これも見えている現状では本人が満足していないということですから、会社との相性があまり良いとはいえません。(入社前に注文が多い人は、入社した後も注文が多いものです)やはりここでも、無理して相手に合わせようとすると、入社後にさまざまな影響が出てしまいます。

 内定出しの際の態度としては、お互いの関係性をイーブンに保つこと、偉ぶらず、へりくだり過ぎずに、平常心を保つこと。また内定者はこれから仲間になろうという人ですから、できるだけ本音でコミュニケーションをすることが重要であろうと思います。

小笠原 隆夫
​​MENU