提出漏れや虚偽報告で刑事責任を問われることも 労働災害が発生した場合の手続きと対応のポイント

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社会情勢の変化や労働災害(以下、労災)請求件数の増加等に鑑み、近年相次いで認定基準が見直されています。そこで本企画では、労災の現状から労災防止対策まで3回にわって解説。今回は、労災保険の申請手続きのポイントや労災が発生した際の対応について紹介します。
労災保険の補償範囲(種類や給付額の算出方法ほか)
労災保険による主な給付には、図表1のようなものがあります。
図表1:労災保険の種類と内容
給付の種類 | 給付される場面 | 給付内容 | |
---|---|---|---|
(1) |
療養(補償)等給付 |
労災による傷病により療養する場合 |
●必要な療養の給付、必要な療養の費用の給付 |
(2) |
休業(補償)等給付 |
労災による傷病のために労働することができず、賃金を受けられない場合 |
●休業4日目から休業1日につき
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(3) |
障害(補償)等年金 |
労災による傷病が治癒(症状固定)したあとに、障害等級第1級から第7級までに該当する障がいが残ったとき |
●障がいの程度に応じ
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障害(補償)等一時金 |
労災による傷病が治癒(症状固定)したあとに、障害等級第8級から第14級までに該当する障がいが残ったとき |
●障がいの程度に応じ
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(4) |
遺族(補償)等年金 |
労災により労働者が死亡した場合 |
●遺族の数等に応じて
●遺族の数にかかわらず、一律300万円の遺族特別支給金 |
遺族(補償)等一時金 |
(a) 遺族(補償)等年金を受け得る遺族がないとき (b) 遺族(補償)等年金を受けている人が失権し、かつ、ほかに遺族(補償)等年金を受け得る人がない場合であって、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たないとき |
●給付基礎日額の1000日分の一時金 ((b)の場合はすでに支給された年金の合計額を差し引いた額) ●算定基礎日額の1000日分の遺族特別一時金((b)の場合はすでに支給された特別年金の合計額を差し引いた額) ●遺族の数にかかわらず、一律300万円の遺族特別支給金((a)の場合のみ) |
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(5) |
葬祭料等(葬祭給付) |
労災により死亡した人の葬祭を行うとき |
●31万5000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合には、給付基礎日額の60日分) |
(6) |
傷病(補償)等年金 |
労災による傷病が療養開始後1年6か月を経過した日または同日後において、傷病が治癒(症状固定)しておらず、かつ、傷病による障がいの程度が傷病等級に該当する場合 |
●障がいの程度に応じて
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(7) |
介護(補償)等給付 |
障害(補償)等年金または傷病(補償)等年金受給者のうち、第1級の者または第2級の精神・神経障がいおよび胸腹部臓器の障がいの者であって、現に介護を受けているとき |
●常時介護の場合
●随時介護の場合
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