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組織を活性化する「場」作り 【その1】コミュニケーション・デザインは組織風土改革

2018年01月19日

 組織社会では、人の感情、意思、思考、知識などのさまざまな情報が、「コミュニケーション」によって伝達され、創造的知識生産活動が行われています。
 組織社会でのコミュニケーションを誘発し、相互活性化させていくには、それができる「場」が必要となります。ここでは、そんな「場」の設計思想を考えながら、コミュニケーション空間の具体的デザイニング手法でもある、スペキュラティヴ・デザインをご紹介していきます。

■リアルとバーチャルのコミュニケーション

 「コミュニケーション」には、言語の発声によるやり取りと、表情、身ぶり手ぶりといったノンバーバル(非言語)メッセージが統合させて「リアル空間で成立する」ものと、メールやチャット、TV電話などのICTツールを媒介した「バーチャル空間を通じて成立する」ものがあります。
 最近の技術進歩により、リアルとバーチャルのボーダーはなくなりつつあります。しかし、「コミュニケーション」の機能は情動的であり、相手の意識や行動を制御するだけでなく、「共感」を呼び起こす行為でもあります。臨場感や息遣い、香りなどを五感で感じることは、リアルコミュニケーションでしかできません。

■組織規模別コミュニケーション活性化

 組織内コミュニケーションを触発し、活性化させる改革には、集団の中での人々の意識や行動心理を理解するとともに、組織規模に即した総務FM戦術、つまりワーカー数とワークスペースの調和と「場」の効果的な演出を考えていかなければなりません。
 そのため、オフィス内で働く社員全てが、お互いの顔と名前が認識できる規模の組織と、社員が何千、何万人もおり、オフィス拠点が国内外に多数展開している組織とでは、コミュニケーション戦略は異なります。

 100人程度の規模の組織では、社員同士が仲間、同僚意識を持ちながら仕事をするため、コミュニケーションは比較的スムーズに行われます。この規模の組織では、社長主催の朝会やタウンホールミーティングといった、リアルコミュニケーションを主体としたコミュニケーションマネジメントが可能です。また、日々の業務の打ち合わせも、見知った者同士でのテーブルワークによって効果的に機能します。

 一方、組織が一定規模以上になると、お互いの名前や顔を直接認識できなくなります。そうなると、同じ組織やチームで働いていても、話したこともない人が増えてきます。この段階にある組織のコミュニケーションマネジメントには、ワークプレイス内におけるリアルコミュニケーションを触発させる仕掛けと、ICTツールを活用したユニファイド・コミュニケーション(※)環境を融合させた「場」作りが求められます。

 何よりも大事なのは、組織規模に関係なく、働く人々がかかわり、共通話題で盛り上がり、共感し、同じ会社で働く仲間としての喜びと達成感を分かち合える風土作りを心掛けなくてはなりません。コミュニケーション改革とは、風土改革の根幹を成す取り組みなのです。

※電話や電子メール、インスタント・メッセージなどのさまざまな通信手段を統合して利用できる技術や仕組みのこと

岡田 大士郎
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