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総務の知的財産戦略 第17回

2018年03月08日

 こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 高松孝行です。
 今回から、特許と同様にアイデアを保護できる実用新案を活用した知的財産戦略について話を進めていこうと思いますが、具体的な戦略の話の前に、その前提となる実用新案の特徴について、まず解説していきます。

■特許と実用新案の違い

 実用新案は、特許と同様にアイデアを保護することができる知的財産権です。ただし、実用新案と特許とは、主に次のような点で異なっています。

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※1 例外があります。
※2 実用新案技術評価書とは、特許庁の審査官が、実用新案登録に関する技術的な評価を行い、実用新案権の有効性の判断を示した報告書をいいます。
※3 弁理士費用を除く費用です。

 このように、実用新案と特許は共にアイデアを保護する知的財産権ですが、異なる部分があります。
特に、実用新案は「保護の対象が特許よりも限定されている」「内容の審査(実態審査)が行われない」「登録までの期間が短い」「権利行使をする際に実用新案技術評価書(技術評価書)が必要となる」ことが、特許とは大きく異なります。

■具体的に異なる点

 たとえば、保護の対象については、特許では製造方法や物品ではないもの(薬やプログラム)も対象となりますが、実用新案ではそれらは対象にならず、物品の形状、構造またはそれらの組み合わせしか保護することができません。

 また、実用新案では権利行使をする前に技術評価書を提示して警告する必要がありますが、特許の拒絶理由通知に記載されている、新規性・進歩性がないというような実用新案の登録性に関して否定的な内容が記載されることもあります。
したがって、いざ権利行使しようとしたときに、実用新案では実質的に権利行使することができないということもあり得ます。

 このような違いは、実用新案のメリットでもあり、デメリットでもあるので、実用新案を活用した知的財産戦略を構築・実施するには、特許とは異なるこれらの特性を考慮する必要があります。

 次回は、実用新案を活用した知的財産戦略について具体的に解説したいと思います。

高松 孝行
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