「人材」を「人財」に変えるためのリーダー養成講座 京セラコミュニケーションシステム株式会社 人財育成支援事業部 事業部長 竹松 健治さん

Vol.08 職場の文化は言葉の共通認識で形成される

2016年12月15日 10:00更新

コミュニケーションの原点

 「要らないものを捨てることを何といいますか?」と研修でお聞きすることがあります。それに対して、製造業では「整理」と答える人が多く、若い人の中には最近「断捨離」と答える人が増えてきました。また、関西では「ほかす」、関東では「投げる」という人が多いという傾向があります。そのほか、「ポイ」と予想もしない答えをいった人もいます。

 

 このように、コミュニケーションの道具である言葉は、人によって、地域によって違うものだと感じることが多々あります。言葉を共通認識することは、コミュニケーションの原点です。そして、どのような言葉を使って日々コミュニケーションしていくかによって、職場の、そして会社の文化が形成されるものです。その一環がスローガンであり、日々スローガンを唱和することによって、ベクトルを合わせていくことができます。共通で言葉を認識した上、どのような場面で、どのような目的で、どのように使うかが経営を伸ばす上でも重要になっていくでしょう。

 

口癖は周りが指摘する

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 また、誰しも口癖があるものです。それは無意識の発言のため、人から指摘されないとなかなか自覚できず、直せません。

 

 私たちは研修において、よくない口癖の例として「一応」「大体」「ちょっと」「とりあえず」という曖昧語を紹介しています。これを多用する人は、得てして周りを不安にさせてしまっています。これをいわなくなるだけで、周りに対する安心感が変わります。

 

 とはいえ、周りから口癖を指摘された経験がある人は意外と少ないものです。周りは「指摘しなくても、きっとわかっているだろう」「自分が直そうとしない限り、いくらいっても直らないだろう」という思いから、指摘しないのでしょう。ところが、人は97%もの人が潜在意識、つまり無意識で行動しています。私も母校へ教育実習に行った際、生徒から「50分授業の中で、『えー』と175回もいっていて驚いた」と指摘され、恥ずかしい思いをしたことがありました。それ以来、「えー」といわないよう努力をしてきました。気になることは、声に出して当人へ伝えてあげることが必要ではないでしょうか。

 

職場の風土を決定付けるのは

 「モラルなくして、モラールなし」という考え方があります。「モラル」とは、道徳心や秩序という意味ですが、やる気・士気を意味する「モラール」との関連を持っているという考え方です。つまり、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という考えの人ばかりでは、誰も赤信号を守ろうとしないという意味です。それは、職場で目標を立てる、ルールを決める、そのみんなが決めたことを、決めた通りに行動しなければ、次第に達成意欲は減衰していくということです。特に職場のリーダーが、どのようなとき、どのような場面で、どのような言葉を使ってみんなを鼓舞しているかが、職場の風土を決定付けるのです。

 

 京セラグループでは、ただ単にOFF-JT(職場外での教育訓練)の研修だけではなく、日頃からさまざまな場面において、京セラフィロソフィに基づき、人間として何が正しいかを先輩から後輩へと伝えています。それは、運動会やスポーツ大会、コンパなどでも、教育の一環として活用してきたということです。そして、みんなの前で決意を宣言する「有言実行」の文化を育んできました。

 

 今一度、使っている言葉は、みんなが共通認識できているか、どのような言葉を、どのような目的で、どのように使っているかを検証し、心と力を一つにして取り組める環境を作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

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「人材」を「人財」に変えるポイント

  • 言葉の共通認識が職場、会社の文化を形成する
  • 気になることは声に出して伝える
  • リーダーの鼓舞の仕方で職場の風土が変わる