総務の引き出し(BCP)

南海トラフ地震か否かを想定する必要はない リスク対応マニュアルの整備における課題を解決する鍵

BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家 昆 正和
最終更新日:
2025年05月08日
202504i_00

BCP策定と運用のポイントを解説する本連載前回はBCPの位置付けについて紹介しました。今回はマニュアルの整備について見ていきます。

バラバラに管理されたマニュアルでは非効率

前回、BCPというのは防災マニュアルや感染症対策マニュアル、情報セキュリティマニュアルなど既存のリスク対応マニュアルと連携させて使うものだと述べました。いい換えれば、BCPはリスクごとに策定するものではなく、事業が停止したときに、製品・サービスの供給に欠かせないコア業務とその経営資源を守るためのワンストップの方針・手順・対策を取り決めた「単一の計画」であるということです。

ところで、BCPに先立つこうした各種マニュアルについて、みなさんの会社では次のようなケースに心当たりはないでしょうか。

【ケース1】
当社には火災と地震を想定した防災マニュアルしかない。水害対策や感染症対応のマニュアルも整備したいが、作り方が煩雑でよくわからない。

【ケース2】
当社では防災マニュアルは総務課、情報セキュリティ対策マニュアルはシステム管理課が管理していて、お互いに自分の管理外のリスクについてはあずかり知らぬ状況にある。

これらのケースは「会社が取り組むべきリスクの対策・対応が不十分」「マニュアルの管理元がバラバラでリスクに対する情報が社内で共有されていない」などの理由で、とりわけ危機対応チームの活動の足を引っ張る可能性があります。

続きは「月刊総務プレミアム」会員さまのみ、お読みいただけます。

  • ・実務や法改正の解説など、情報価値の高いWEB限定の有料記事が読み放題
  • ・デジタルマガジンになった『月刊総務』本誌が読み放題
  • ・『月刊総務』本誌を毎月の発売日にお届け
  • ・当メディアが主催する総務の勉強会や交流会などのイベントにご優待
  • ・スキルアップに最適なeラーニングコンテンツが割引価格に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

プロフィール

m-kon

BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家
昆 正和

企業のBCP策定/気候変動リスク対策・適応策に関するアドバイス・講演・執筆活動に従事。一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身にあった(ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。雑誌やWebへの寄稿・連載など多数。趣味は登山と読書。著者のnoteはこちら

関連記事

  • レンタカーの安全運転管理も可能! コストを抑え、車両管理にかかわる日常業務の負担を減らす方法 PR
  • 食で社員を応援! 総務が値段を決められる自由さがポイント。豊富なアイテムがそろうミニコンビニ PR
  • 何となくで選んでない? 実は重要なオフィスの「照明」。空間に合った明るさや色味が与える効果 PR

特別企画、サービス