総務の引き出し(BCP)

それ、本当に使えるの? BCPを単なる書類作りで終わらせない。危機対応力を向上させる訓練とは

BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家 昆 正和
最終更新日:
2026年03月05日

今回は、BCPを通じて実践的な危機対応力を向上させるための活動のお話です。BCPを策定した企業のみなさん、次のようなお悩みを抱えてはいませんか? たとえば「BCPを見ても使い方がよくわからない」「いざというとき、本当に自分たちが必要としていることがBCPに書いてあるのか自信が持てない」といったことです。

BCPを生かすのはあなた自身

根本的な原因は会社それぞれ、BCPそれぞれで異なるのでしょうが、一つの共通点があるとすれば、「完成したBCPを使って検証を行っていない」ことではないでしょうか。インシデントがいつどこでどんな形で起こるのか、誰も客観的な見通しは立てられない以上、BCPを実践的に使えるかどうか事前に確認が必要なことはいうまでもありません。水泳が実際に自分の頭と手足を動かしてみないと身に付かないのと同じです。

では、避難訓練や安否確認訓練を繰り返し行えば解決するのかといえば、そういう話でもありません。これらは同じことを反復して非常時の行動パターンを体に覚え込ませるには有効な訓練ですが、あくまでも初動対応の範囲のこと。事業停止を念頭に置いたBCPには、また別の切り口の活動が必要になるのです。

そこで、BCPを単なる書類作りで終わらせないための方法としておすすめなのが、「机上演習」です。机上演習は、危機対応チームのメンバーが中心となって行えるこぢんまりとした討論型の訓練です。図上訓練のような特別な道具立ては不要ですし、訓練の専門家を呼ぶ必要もありません。事務局担当者がその都度シナリオを決め、時間軸に沿って変化する多種多様な状況を通じて、BCPに記載されている手順の妥当性や応用性、問題点や改善点などをメンバー全員で導き出すのが狙いです(図表)。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

続きは「月刊総務プレミアム」をご契約の会員様のみお読みいただけます。

  • さらに有益な付加価値の高い有料記事が読み放題
  • ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツも割引価格でご利用可能に
  • 「月刊総務デジタルマガジン」で本誌「月刊総務」も読み放題
  • 本誌「月刊総務」も毎月1冊、ご登録いただいたご住所にお届け

総務の引き出し(BCP)」の記事

2026年03月05日
それ、本当に使えるの? BCPを単なる書類作りで終わらせない。危機対応力を向上させる訓練とは
2026年02月05日
3つのことをサボっているといざというときに使えない? BCP完成後に行うべきフォローアップとは
2026年01月08日
防災・BCP対策を「非常用」と考えていませんか? 業務慣習の改善から始める中小企業のBCP
2025年12月04日
インシデント発生で人手も資金も足りない……。復旧活動をする上で欠かせない「3つの条件」とは?
2025年11月10日
重要書類の消失や停電の発生……事業継続するための代替手段は? 非常時に人員、電源を確保する方法
2025年10月07日
インシデント発生時でも製品・サービスの供給を止めない! BCPに記載すべきリストの中身とは?
2025年09月05日
BCP発動! 誰に、どんなメッセージを伝えるべき? 緊急時コミュニケーションの3つのポイント
2025年08月06日
情報を制する者は危機を制する! インシデント発生時に備えて用意しておくべき必須情報リストとは
2025年07月04日
BCPは筋書き通りにはいかない どんな状況でも臨機応変に動くために気を付けたい2つのこと
2025年06月05日
非常事態にどんなメンバーを参集すべき? 危機対応チームの5つの役割と対策本部の立ち上げ要件
2025年05月08日
南海トラフ地震か否かを想定する必要はない リスク対応マニュアルの整備における課題を解決する鍵
2025年04月04日
「リスクごとに策定が必要」という先入観は捨てよう BCPでみんなが誤解している3つのこと

特別企画、サービス