総務のプロに聞く 戦略総務的「場」の発想

総務は縁の下の力持ちではなく、従業員のビジネスパートナー

月刊総務 編集部
最終更新日:
2022年08月29日
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突然の総務への異動

SEを志して2005年にIT企業に就職しましたが、希望とは異なる営業職に配属されました。しかし「ITを通じて世の中を便利にしたい」との思いを実現する手段が、ものづくり(技術者)なのかサービス提供(営業)なのかが違うだけであって、やりたいことに変わりはないと納得して仕事に取り組みました。

営業を2年担当した頃、子会社の人事総務に欠員が生じ、私に異動の辞令が出ました。選択の余地を与えてもらえなかったので正直にいって葛藤はありましたが、「そもそも総務の仕事を自分は何も知らない。知らないのに食わず嫌いをしてはいけない」と思い直しました。営業ではあまり実績を残せなかったこともあり、「次のチャンスを与えられた」と前向きに受け止めました。

株式会社ディーバ 経営管理本部 ピープルサクセス部 オフィスクリエイショングループ長 遠藤 憲利さん
株式会社ディーバ
経営管理本部 ピープルサクセス部
オフィスクリエイショングループ長
遠藤 憲利さん

IT企業に14年勤務し、総務を中心にバックオフィスを広く経験。広告代理店を経て、2020年株式会社ディーバに転職。会社が目指す「働きがいの向上」を実現するべく、自身のミッションを「価値創造に集中できる『しごと場』の実現」と定義する。総務は「従業員のビジネスパートナー」だと自認し、現場が本業に集中できる環境づくりを重視している。

従業員数が急増イベントを多数仕掛ける

主な業務は採用と総務で、後者の範囲は社内イベント・企画運営、ファシリティ、PCやソフトウエアの管理、庶務でした。

一方の採用業務は多忙で、ちょうどリーマン・ショックのタイミングで雇用情勢が厳しかったこともあり、中途採用の応募者が殺到し、それまで40人ほどだった従業員数が私が採用を担当した2年で250人にまで増えました。人員の急増に伴い、オフィスのレイアウト変更業務も発生しました。

中途入社者が増加しただけでなく、客先に常駐しているメンバーも多いため、従業員同士の接点が少ないことが大きな課題でした。また、その子会社は立ち上げ3年目で、「これからみんなで会社をつくっていこう」というフェーズにありました。だからこそ、お互いの信頼関係を大切にしたかったのです。

それで、とにかく親睦の機会をつくろうと、花見、バーベキュー、忘年会、納会、月イチの懇親会など、平日・週末を問わず多数のイベントを仕掛けました。私にとっても楽しい時間で、忘れ難い思い出がいろいろあります。

現場が本業に集中できる環境を

その後、親会社に戻って500人ほどの開発本部に所属することになりました。ここで総務パーソンとしての基礎を積むことになります。しかし総務といっても庶務が中心で、何でもやる雑用係です。「お前の仕事は決まっていない。自分で見つけろ」という立ち位置でのスタートでした。

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月刊総務 編集部

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