総務のプロに聞く 戦略総務的「場」の発想

第一生命本社リノベーション 新たな価値協創を支えるワークプレイス改革

月刊総務 編集部
最終更新日:
2022年11月30日
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ファシリティの見直しは企業文化を刷新する手段

1995年に第一生命保険に入社し、最初の配属は函館支社でした。以降、営業開発部、人事部等本社組織や支社組織での勤務を経て、再び営業に戻り、副支社長を務めたのち、5年間、シンガポール、インドネシアにて主に営業員・代理店への生命保険教育の支援を担当しました。

2020年に、オフィスのリノベーションを担当する総務部ファシリティサービス課に異動してからは、本社のワークプレイス改革に携わっています。

現在、リノベーション工事と移転を同時進行しています。単に新しいビルに移転するのではなく、すでに入居しているビルの既存フロアをリノベーションしながら、ビル内の配置転換を繰り返し行う複合的かつ長期にわたるリノベーションです。

山谷 秋晴さん
第一生命保険株式会社(第一生命ホールディングス株式会社)
総務部長
山谷 秋晴さん

1995年4月、第一生命保険相互会社函館支社入社。以降、営業部門と人事部門に従事。2020年度より総務部ファシリティサービス課ラインマネジャー。2021年度から現職。本社リノベーション、気候変動への取り組み、株主総会運営等に注力。モットーは「お客さまの喜ぶ顔が見えますか」。

当社の本社機能は、首都圏では主に豊洲と日比谷にあります。今回のリノベーションは集約やスペースの見直しで終わらせるのではなく、関連性のある複数の部署をワンフロアに集め、社内のインフォーマルなコミュニケーションやコラボレーションの活性化をはかり、よりイノベーティブな空間をつくることを意識しました。

具体的には、お客さまの継続した体験(CX)に軸足を置き、事業成長のエンジンを担う戦略・企画部門をフロア面積の広い豊洲に集中させ、コミュニケーションの活性化や意思決定の早期化を通じて、企業風土の改革をファシリティ面からあと押しします。

また従業員が所属する部署にかかわらず、自由に席を選ぶことができる「完全フリーアドレス」を一部導入します。役員も、担当する部署のフリーアドレスエリアでの執務となります。

昨今はテレワークが進み、出社の意義が問われていますが、私はオフィスは価値創造をもたらす場と位置付けています。本ワークプレイス改革を通じ、働く人が組織の枠を超えて多くの人と接点を持ち、知見やアイデアを交換することで、より多くのインスピレーションやセレンディピティを得ることが期待できます。

さらに、食堂にコワーキングスペースを設置し、従業員だけでなくテナントを含む社外の人もご利用いただけるようにする予定です。このような新たな価値をオフィスに付加することで、イノベーションの創出に加え、ウェルビーイング、エンゲージメントの向上につなげていきたいと考えています。

完全フリーアドレスへ 異次元の挑戦

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