採用・雇用:固定残業代制

最終更新日:2025年08月01日

固定残業代制とは、あらかじめ一定時間分の残業代を基本給とは別に「固定残業代」として支給する賃金制度である。通常、従業員が残業を行った際には時間外手当を別途支払う必要があるが、この制度では見込まれる残業時間分を毎月固定額で支給する。

導入の目的は、賃金計算を簡素化し、従業員が安定的に手当を受け取れるようにすることである。例えば、20時間分の残業代を固定で支給し、実際の残業時間がこれを超えた場合には、法定の割増率に基づき超過分を追加で支払う義務がある。

適正に導入するには、

  • 固定残業代と基本給を明確に区分すること
  • 何時間分の残業代かを労働契約書や求人票で明示すること
  • 固定額が法定の割増率を満たすこと
  • 実残業時間が固定残業時間を下回っても減額しないこと

が必要である。

なお、みなし労働時間制とは異なる制度である。みなし労働時間制は、外回り営業や裁量的な業務において、実際の労働時間にかかわらず一定時間働いたものとみなす仕組みで、残業代の支払い方法に関する固定残業代制とは性質が異なる。

参考:厚生労働省「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」

採用・雇用 に関連するその他の用語

固定残業代制に関連する記事(総務・人事・広報・法務・イベント情報)

特別企画、サービス