みなし労働時間制とは、実際の労働時間を厳密に把握することが困難な業務や、業務の進め方を従業員の裁量に委ねる場合に、所定の時間を「働いたものとみなす」制度である。通常の時間管理とは異なり、実際に働いた時間がみなし時間を超えても原則として残業代は発生しない。ただし、深夜・休日労働に対する割増賃金は別途必要である。
この制度には以下の3つの類型がある。
事業場外労働のみなし労働時間制
外回り営業や出張など、労働時間の算定が困難な場合に適用される。通常、所定労働時間を働いたものとみなし、特別な定めがあれば一定時間を働いたものとみなすことも可能。
専門業務型裁量労働制
研究開発、システム設計、新聞記者、デザイナーなど、業務の遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる高度専門職が対象。労使協定を締結し、みなし時間を設定することで導入できる。
企画業務型裁量労働制
企業の本社などで、経営企画や事業戦略立案などの業務に従事するホワイトカラー職種が対象。労使委員会の決議が必要で、みなし時間を設定する。
参考:兵庫労働局「裁量労働等(みなし労働時間)」