スタートアップバックオフィス(経理・財務)の始め方
【スタートアップ経理】「誰も教えてくれない」環境で成長していくために必要な3つのスキルとは?
税理士法人田中経営会計事務所 代表社員 税理士/中小企業診断士 田中 慎
最終更新日:
2025年10月06日

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いよいよ最終回となりました。これまでスタートアップ経理の現場の状況を踏まえながら、必要な知識をお伝えしてきました。この連載を始めるにあたって、スタートアップ経理のみなさんとそれぞれの内容について意見交換をしてきたのですが、いつもみなさんから出てくる印象的な言葉が「誰も教えてくれない」でした。スタートアップ経理では文字通り誰も教えてくれない中で、自ら考え、専門家の力を借りながらなんとか仕組みを構築していく必要があります。誰かに指示されることを待っていても仕事は進みません。会社が成長する中で業務が日々変わっていき、その都度必要な対応をしていくことになります。今回はこれまでの内容を踏まえて、スタートアップ経理の環境で求められる3つのスキルに目を向けていきましょう。
スキルその1:誰も教えてくれない環境を受け入れる力
大きな企業の経理を経験してから、スタートアップ経理に飛び込んだ場合はその環境の違いに驚くことでしょう。まずは何もない、誰も教えてくれない環境を受け止めて自ら社内のルールを作っていく心構えが必要です。
償却資産税申告を含む固定資産関連の経理の仕方、法定調書合計表の作成・提出などについては簿記を勉強しても実務的な内容を学ぶことはできません。そしてスタートアップ経理として仕事を始めた場合、社内にそのことについて教えてくれる人はいません。そのような環境に文句をいって拒否をするのではなく、ないのが当たり前として自分でつくっていく。そうした姿勢が経理だけではなくスタートアップ全般において求められる力になります。
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