「人材」を「人財」に変えるためのリーダー養成講座 京セラコミュニケーションシステム株式会社 人財育成支援事業部 事業部長 竹松 健治さん

Vol.03 「やる気があっても結果が出ない」部下の指導法とは?

2016年7月13日 10:00更新

上司が、仕事がうまくいっていない部下に対して「やる気を出せ」と声をかけて指導することがあります。といっても、実際はやる気があるのに、空回りばかりして、結果が出ないという人は少なくありません。それはなぜだと思いますか?

 

 

部下に“やれる”気を与える

pic_0004.jpg

みなさんは、部下に対して「目指す姿」のイメージをしっかりと共有し、誰に・何を・いつ・どこで・どうして・どのように行うのかを説明をしてから、「やる気を出せ」と言っているでしょうか?

 

 

誰しも、「こうなりたい」「こうありたい」という理想を持っているものですが、おぼろげながらのイメージを抱いているだけです。そもそも、同じものを見ても、同じ場所で同じ体験をしても、人によって感じ方は異なります。リンゴが落ちるのを見て、ニュートンが万有引力を発見したように、その人の興味によって、発想するものが違ってきます。これは「それはなぜだろう」とその結果を招いた原因を探求するためです。しかし、多くの人は探求することなく、その事象の持つ意味を見逃しています。

 

 

手段・方法やプロセスについて、「どうすればいいですか」と質問する部下はまれです。一方で、上司はそれらを部下が自分で考えればいいと思い込んでいる場合もよくあります。大概の場合、6W1Hが欠如している状態で、「やる気を出せ」と指導するため、いざなにかを始める段階になって、部下はどうすればいいかがわからず、戸惑ってしまう状況が生まれてしまいます。

 

 

このようにして、たとえ部下にやる気があっても、“やれる”気が起こらず、時間ばかりが経って、上司の期待に応えられずに終わってしまうという結果を招いてしまいます。だからこそ、上司は、具体的な事例をもって部下に期待することと、その手段・方法、プロセスを教えて“やれる”気を与えてあげる必要があります。これらを教えればあとはその実現に向けて取り組むのみと思われがちですが……、実はそれでもまだ十分ではありません。

 

 

上司は、部下に自らの思いや期待が正しく伝えるために、単に言葉だけではなく、期待している姿とそのプロセスについて、より具体的に、より鮮明にイメージができるよう指導していくことが重要です。それは、よく「子供は親の言う通りではなく、親のやる通りに真似をする」と言われるように、上司自身がまず部下に模範を示すことです。これがさらに部下の“やれる”気につながっていくでしょう。また、これは、上司と部下とのより良い信頼関係づくりに必要なことなのです。部下は、「やる気+“やれる“気」を持ってこそ、上司の期待に応えようと、一所懸命に取り組んでいけるようになるのではないかと思います。



「人材」を「人財」に変えるポイント

  • 部下に「目指す姿」の具体的なイメージと、6W1Hで手法・方法やプロセスを共有し、「やれる気」を与える
  • 上司が部下に模範を示す