「人材」を「人財」に変えるためのリーダー養成講座 京セラコミュニケーションシステム株式会社 人財育成支援事業部 事業部長 竹松 健治さん

Vol.06 顧客満足度ワーストからトップになるための習慣

2016年10月14日 10:00更新

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人は見たいものを見て、聞きたいことを聞くものです。だからこそ、同じとき、同じ場所にいて、同じものを見て、同じことを聞いていても、受け止め方が変わります。それは、関心の在りかが違うからではないでしょうか。

 

不思議なもので、リーダーが何にこだわり、何に重点を置いているのか、伝え方次第で、メンバーの関心の在りかは変わるものです。もし「経費削減だ!」と伝えれば、経費削減に終始し、つい売上最大への努力を怠りがちです。一方で、「売上最大だ!」と伝えれば、採算度外視で売上最大への努力ばかりをするものです。「スピード重視だ!」と伝えれば、品質が劣化しがちで、「品質重視だ!」と伝えれば効率低下を招くこともよくある現象です。

 

これは、リーダーの呼び掛け方の工夫で改善できるものです。どちらかを選択する思考をトレードオフといいますが、リーダーはトレードオフではなく、両立することの大切さを日々訴え続けるのです。そうすることでメンバーの意識は確実に変わってきます。

 

 

有意注意の習慣を身に付ける

 

ある企業では、リーダーが「何でもいいから全社一番になろう!」と呼び掛けた結果、お客さまからのクレーム発生率が全社で一番多くなってしまったという笑えない話がありました。そのリーダーは猛省し、今度は「顧客満足度において全社で一番高い部門になろう!」と呼び掛けたところ、本当に全社で顧客満足度が一番高い部門になったのです。しかし、それはただ単に呼び掛けたから、そうなったということではありません。リーダーがメンバーに顧客が満足する対応とはなにかを問いかけ、メンバーがそれを探し始め、それに向かって努力した結果です。

 

つまり、目的を持って意識を集中できるよう、「有意注意の先を示すこと」が大切です。誰にとっても1日は24時間です。その時間を有効に使うためには、日ごろから綿密な計画を立てて実行する習慣を身に付けることはもちろん、何に関心を持ち、何を意識して取り組むかが重要なポイントとなります。

 

目的を持って意識を集中する「有意注意の習慣」を身に付けていけば、必要な情報が目に飛び込んできます。そして、問題解決のためのヒントをあらゆるところから入手できます。そのヒントの生かし方は人によって異なりますが、少なくとも「それはなぜだろう」と原因を探求する習慣を身に付ければ、必要な結果を求める原因づくりをすることができるようになってきます。

 

ただし、これには個人差があります。だからこそ、リーダーはメンバーに対して、「ここに関心を持って取り組んだ結果、このようなことを発見し、このようなことが成し遂げられた」という自らの体験談をメンバーに繰り返し伝え、原因と結果がどのように結びついているかというイメージを膨らませる場を日々作っていくことが大切です。これができれば、着眼着想のベクトルがそろい、あらゆる事象から問題解決へのヒントを得、それを生かせるようになっていけるはずです。



「人材」を「人財」に変えるポイント

  • トレードオフではなく、両立することの大切さを説く
  • 目的を持って意識を集中する「有意注意の習慣」を身に付ける
  • 自らの体験談をメンバーに繰り返し伝える場を作る