スタートアップバックオフィス(人事・労務)の始め方

ライフイベントによる離職を防ぐには 結婚、出産・育児における必要な手続きとサポート体制を解説

エアレンデル東京社労士事務所 代表 黒田 公重
最終更新日:
2025年01月30日
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ライフイベントは社員のプライベートな問題でありながら、職場全体に影響を与えます。採用難や労働力不足、少子化による若手不足が課題となる時代、特にスタートアップをはじめとする中小企業において、社員のライフイベントを理由とする離職を防ぐことは、企業の存続のために重要になっています。その中でも特に重要なテーマとして、結婚、出産・育児、そして病気、介護、死亡が挙げられます。ライフイベントに対応した仕組みは、社員の定着率を高め離職を防ぐことで採用コスト削減やスキル蓄積を実現し、社員はさまざまな場面での不安を取り除き、働きやすさが向上することで、キャリア継続が可能になります。それにより企業は競争力を高め、持続的な成長が期待できるとともに、社員の幸福感も向上していきます。そこで今回と次回の2回にわたり、社員のライフイベントにおいて必要な手続きや対応について紹介していきます。今回は、まず結婚と出産・育児について解説します。

結婚における企業のサポート

結婚は人生の大きな節目です。企業は、結婚やそれに類する状況に伴う手続きをサポートし、スムーズな対応を行いましょう。

1. 結婚後の氏名や住所変更

結婚に伴って氏名や住所が変更となる場合、速やかに人事部門に届けてもらう必要があります。これにより社会保険や税金関係の手続きが正確に行われます。

2. 福利厚生の利用促進

結婚祝い金や慶弔見舞金を支給する企業も多く、社員がこうした制度を活用できるよう情報提供を行うことが大切です。また、配偶者が扶養に入る場合、健康保険の手続きが必要となるため、その案内も重要です。

3. 配置転換の検討

社内結婚の場合、同じ部署に配属されている夫婦が業務上の利害関係を避けるために、異なる部署への配置転換を提案する企業もあります。

4. 事実婚や同棲への対応

事実婚や同棲のケースでも、以下の対応が求められる場合があります。

被扶養者認定
事実婚でも同居を証明する住民票や書類があれば、健康保険や扶養控除の対象になる場合があります。

福利厚生の適用
一部の企業では事実婚のパートナーにも結婚祝い金や慶弔見舞金が適用されることがあります。適用範囲を社内で明確にし、社員に周知することが重要です。

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著者プロフィール

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エアレンデル東京社労士事務所 代表
黒田 公重

中小企業のホームドクター。社会保険労務士・産業カウンセラー、健康経営EXアドバイザー。会社の健康増進・予防医学と治療を行う専門家として、人事・労務から100年続く企業へ成長するサポートをし続けている。

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