総務の引き出し(人事教育研修)

コスパ・タイパ重視ですぐ辞める……若い社員のキャリアアップに必要なのは「転機」と「4つのS」

大阪大谷大学 人間社会学部 教授 藤原 崇
最終更新日:
2023年11月24日
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企業社会から大学へ移り、教員として学生の指導にあたっていますが、学生の成長支援は大きな役割の一つです。実際、18歳~22歳の4年間で彼・彼女たちは大きく変化しますので、その過程で少しでも人間的な成長を遂げることができれば、それは社会に出たあと、貴重な財産になると思います。とはいえ、口でいうのはやすく、実行が難しいのが成長支援です。最近のコスパやタイパを意識する学生を相手に地道な努力を説くだけでは、なかなか実効性はなく、筆者自身も悩みは多々あります。ただ、一ついえるのは、「転機」があれば大きく変化するということです。

すぐに会社を辞める若者……転機によって変化も

飲食店でのアルバイトがうまくいきすぎて、そこで働いて、ゆくゆくは独立しようかと考えていた学生がいました。彼には「簡単に独立してもうまくいかない。まずは組織立って活動している外食産業に就職し、そこで飲食事業をビジネスとして行うノウハウや組織で働く経験、法律やさまざまな知識を得てから独立しても遅くはない」と指導していました。それでも、その学生は大学での学業にいま一つ身が入らず、退学しようかとも悩んでいました。ところが、その学生はアルバイト先でのトラブルに見舞われ、組織的な対応や法律の重要性に気付くという転機を得ました。あらためて私の元に相談に来たため、学習に励み4年で卒業すること、外食産業を目指して就職活動を行うことを指導しました。そのあと、その約束通りある大手外食産業に就職していき、今では「会社での経験が全て勉強になる」とがんばって働いてくれています。

企業でも、最近の若者はすぐに辞めるといわれますが、その理由を聞いてみると、「このままこの会社にいても先が見えない」という点が上がってきます。確かに入社して3年間くらいは、大した仕事を任されるわけではなく、「こんなことを続けていて、成長できるのだろうか?」という日々が続きます。最近は「ブラック」というレッテルを恐れ、残業もそう命じないので、即戦力が求められるかのような採用をくぐり抜け、入社してきた若者からすればストレスがたまることでしょう。

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著者プロフィール

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大阪大谷大学 人間社会学部 教授
藤原 崇

メーカー人事や組織・人事コンサルタントを経験。人事戦略から、制度構築、人材育成まで幅広く多業種・数十社の支援を行う。コーネル大学MBA 取得。2022 年4 月より現職、博士(経営学)。

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